許される文型の違い 日本語と英語がなぜ違うかを探る

同じ文型なのに意味が違う
英文法には文型があります。その1つである第5文型(SVOC)では、OとCに主語述語の関係が作られていますが、実は複数のパターンがあります。
たとえば、「John ran his shoes threadbare.」は、「ジョンが走った結果、靴が擦り切れた」という結果を表すことから、「結果構文」と呼びます。しかし、同じ文型でも、「John ate the meat raw.」は「ジョンが食べた結果、肉が生になった」という意味ではなく、「ジョンが生で肉を食べた」という状態を表し、「叙述構文」と呼びます。同じ第5文型でも、解釈が異なります。
英語は1文、日本語は2文?
結果構文に関して、日英では大きな違いがあります。先ほどの例では、「ジョンが走った」「靴が擦り切れた」という2文を英語では1文で表しています。しかし、日本語では1文で表せません。また、runがhis shoesを目的語として選択していますが、threadbareがない「John ran his shoes.」は文法的に成立しません。runの用法から考えると不思議です。これは、日本語と異なり、英語がOとCの主語述語関係を作りやすいためです。
しかし、英語でも、OとCでどのような主語述語関係でも作ることができるわけではありません。たとえば、「肉を食べた結果、おいしいと感じた」という情報は、日本語では「肉をおいしく食べた」と1文で表わせますが、英語では「I ate the meat.」「I found it delicious.」と2文でしか表せません。言語学では、こうした言語の違いは設定(パラメータ)の違いだと考えられています。
言語間の違いをとらえる
人は誰しも言語能力を持って生まれ、成長する過程で言語により刺激を受け、パラメータが言語ごとに設定されていくことで、特定の言語を獲得すると考えられています。パラメータの解明が進むことで、現在学校で教えられている文法教育の体系も変わっていくかもしれません。
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関西外国語大学 外国語学部 国際日本学科 准教授 山口 真史 先生
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