海流がぶつかって婚活マッチング? 多種のメバルがいる謎に迫る!

多様な種類があるメバルの研究
日本の食卓でおなじみの魚の一つに「メバル属」があります。非常に多くの種を含み、日本の太平洋側の近海で、また世界中の海でも水産資源として重要視されています。体内で卵をふ化させる「胎生(たいせい)」という珍しい特徴を持っており、魚類研究の対象としても注目されている魚です。
今、このメバル属の研究が進んでいます。遺伝子を解析する技術が進み、見た目だけではなく遺伝子レベルで正確に種の分類ができるようになったのです。なぜたくさんの種類があるのかという謎が解明されつつあり、また、世界中の水産資源の保護にもつながるという点でも注目を集めています。
海流がぶつかる場所で交雑
メバル属は日本では東北地方沿岸でよく捕れます。黒潮、親潮、対馬海流と、3つの海流がぶつかる場所です。ここで、メバル属の中でも異なる種が交配したとみられる(交雑)個体が見つかっています。この交雑個体は、それぞれの海流によって運ばれてきた異なる種のメバルが海流のぶつかる場所で出会い、交配したことでうまれた可能性があります。世界中の海流がぶつかる場所で同様の報告がされています。また、こうした調査の過程で、全く同じ種のメバルに見える個体の中にも、遺伝子的には異なる種のものがあることもわかりました。
このように交雑が繰り返されることで、多様な種のメバルが誕生してきたと考えられ、進化の過程をひもとくカギになります。メバルが胎生という特徴を獲得した理由の解明にもつながる可能性があります。
水産資源の保護にも貢献
こうした種の分類の研究には、もちろん、種の進化や生態など、自然の不思議さを解明する意義があります。それだけではなく、世界中の人と議論するときの共通の土台になるというメリットがあります。例えば水産資源の保護について話し合う際にも、どのような特徴の魚に何という学名がついているかという共通の認識があって初めて、正確なデータが取れ、それに基づいた議論ができるのです。
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