VRで触覚学習、AIは教えすぎ? ICTによる新たな学びの形は

体験型で理解を深める
近年、訓練や学習にICTを活用する研究が進んでいます。例えば、地震や火災といった大規模災害の避難行動や無菌環境での薬品操作など、現実では危険や制約がある作業もVRを活用することで安全に訓練できます。
また、CTデータを用いてモノの内部構造を再現し、学びに活用することも可能です。例えば、魚の内部を再現し、力覚センサと組み合わせて、包丁を入れたときに骨に当たる感触や、骨と身の違いを体感できる調理トレーニングが開発されています。このような、視覚だけでなく触覚も使う「体験型の学び」は、歯のインプラント治療のナビゲーションシステムなど、医療分野でも活用が進められています。
AI活用の落とし穴
ICTによって人材教育、訓練の効率化と質向上が期待される一方で、新たな課題も生まれています。例えば、プログラミング学習では、完成されたコードをAIがすぐに提示できるため、自分で考える機会が減り、「理解したつもり」になる恐れがあります。実際に、AIを自由に使うと学習中の効率は上がる半面、後のテストで理解が不十分であることが判明するケースも報告されています。
こうした課題に対し、AIの回答に制約を付けた「ガードレール付きAI」を用いる学習方法が研究されています。認知的徒弟制と呼ばれる教育理論に基づいて、AIが指導役となり、答えではなくヒントを段階的に提示するシステムで、学習効果が高まる傾向も報告されています。
「ガードレール付き」を模索
「ガードレール付きAI」によって思考を促す手法は、さまざまな分野の学びに応用できます。広く使われるためには、どのようなタイミングでどの程度のヒントを教えるか、といった「制約の付け方」を体系化することが大切です。さらに発展させ、学習者一人一人の理解度やスキルに応じて、AIが提示する内容を変えるという、適応的な学習支援も可能です。ICT技術を適切に取り入れることで、効率的で柔軟な、新しい学習の形が広がっていくのです。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
![選択:[SDGsアイコン目標4]](https://telemail.jp/shingaku/requestren/img/data/SDGs-4-active.png )
![選択:[SDGsアイコン目標9]](https://telemail.jp/shingaku/requestren/img/data/SDGs-9-active.png )
