有事の際に米軍は日本を守るのか

在日米軍基地のもう一つの顔
日本にある米軍基地には、もう一つの顔があります。それが「国連軍基地」です。朝鮮戦争の際に編成された「国連軍」の後方司令部が現在も日本に存在し、横田、横須賀、佐世保、嘉手納など7カ所がその拠点となっています。これは国連憲章に基づく正式な国連軍ではなく、アメリカを中心とした有志連合軍です。多くの大人も知らないこの存在は、日本の安全保障を考える上で重要な手がかりと言えます。
また貸しできる基地
日米安全保障条約は、「日本が基地を提供し、アメリカが安全を守る約束」と単純化されて説明されることがあります。しかし実は「有事の際に米軍が必ず日本を守る」と明確に書かれた文書はありません。一方で、日本が基地を提供することははっきり決められています。さらに、在日米軍基地はアメリカだけが使うものではありません。1954年の国連軍地位協定によって、国連軍の参加国が基地を使うことができます。アメリカが基地を友軍に「また貸し」できる仕組みです。通常、外国軍が日本国内の基地を使うとなると、日本政府の了解が必要だと思われがちですが、国連軍地位協定に基づく場合は米軍が認めれば使用でき、日本政府との事前協議は必要ありません。つまり、日本が提供する基地なのに、誰がどのように使うかを日本が十分にコントロールできない場合があるのです。
安全保障の構造を考える
こうした基地の仕組みは突然生まれたものではなく、長い歴史の中で形づくられてきました。大国は昔から、他国に影響力を持とうとしてきました。かつては「植民地」という形で現れたものが、現代では「海外基地」に姿を変えているのです。たとえ政権が交代しても、この構造は簡単には変わりません。
日本の安全保障を考えるとき、ニュースで語られる「有事」だけを見るのではなく、その背景にある歴史や制度を知ることが大切です。国内外の膨大な公文書を丁寧に読み解き、見えにくい安全保障の構造を明らかにする研究が続いています。
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