熱中症対策が観光資源に? 暑さに負けないまちづくり

熱中症対策が観光資源に? 暑さに負けないまちづくり

まちぐるみの暑さ対策

地球温暖化により、夏の気温が年々上昇しています。熱を蓄えやすいコンクリートが多く、気化熱で気温低下をもたらす緑や水辺が減少し、さらにエアコンなど人間活動による排熱が多いことで、都市の気温が高くなる「ヒートアイランド現象」が特に深刻です。AIの普及に伴うデータセンターからの排熱が増え、さらに暑さが厳しくなる懸念も生じています。
影響として、熱中症で搬送される人数が増え、屋外での活動を控えるなどの熱中症対策の推奨で、まちのにぎわいが減るという問題も起きています。こうしたまちの問題を解決するために、まち全体で暑さ対策を行い、熱中症対策の対象を「個人からまちへ」と移す研究が行われています。

日陰づくり、クールスポット

まちの暑熱対策として有効なのは、連続した日陰づくりで、それにはアーケードや鉄道の高架下などの活用が挙げられます。また、豪雪地帯では、商店や民家の長く突き出したひさしをつなげて、雪除けの通路として供用する「雁木(がんぎ)」が歴史的に使われており、これを夏の日陰として有効活用することが期待できます。
また、最近ではクールスポット、クールシェルターとして、冷房の効いた店舗や公共施設を「涼む場所」として利用する取り組みもあります。このような暑さ対策のまちづくりをアピールすれば、それがまちの魅力となり、観光資源となる可能性もあります。

暑さに負けないまちづくりのためのエビデンスとは

暑さ対策のまちづくりに向け、さまざまな観測・調査が行われています。例えば、空間の熱中症リスクの指標である「暑さ指数」の計測、心理的な「涼しさ」を調べるアンケート調査、人体の表面温度などの生理データ、そして、空間の利用者数などを調べるにぎわいの調査があります。まちの構造や特徴によって環境も異なるため、まちごとに調査を行い、現状と対策後の効果を数値で表すことで、真に有効な対策が見つかります。それらをエビデンスとすることで、まちづくりに関わる人たちに協力を求めるときの説得力も生まれるのです。

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先生情報 / 大学情報

武蔵野大学 工学部 サステナビリティ学科 教授 三坂 育正 先生

武蔵野大学 工学部 サステナビリティ学科 教授 三坂 育正 先生

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都市・建築環境工学、ヒートアイランド

先生が目指すSDGs

メッセージ

社会や環境問題の解決は、根拠に基づくことが必要です。そのために、正しい知識を修得し、最新かつ正確な情報を収集して行動することを心がけてください。近年普及するAIの回答や報道がどんなデータを基にしているか、そのデータは正しいのか、確認する習慣をつけると将来役に立つと思います。私の研究の中心は観測してデータを取ることですが、データに基づいて物事を判断する経験をすることで、説得力のあるデータのとり方が理解できるようになります。ぜひ、自身でデータを収集・分析し、新たな知見を見いだす経験をしてみましょう。

先生への質問

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  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

武蔵野大学に関心を持ったあなたは

2024年に100周年を迎えた武蔵野大学は、同年4月、ウェルビーイング学部ウェルビーイング学科を新設しました。2023年4月には、社会と環境をデザインし実現する、文理融合型の「サステナビリティ学科」を開設し、近年では、起業家精神を育成する「アントレプレナーシップ学科」や私立大学初の「データサイエンス学科」を新設。常に時代の変化を先取りし、13学部21学科の文・理・医療・情報系の総合大学へと発展・拡大を続けています。