なぜ大企業の本社は東京に? 「立地」から地域を豊かにする

企業が東京に集まる理由
あなたが暮らす地域には、オフィスや店舗、工場がどの程度集まっているでしょうか。例えば工場は物資の輸送に必要な港や大きな道路の近くに、店舗は一定の人口規模を持つ街に、など役割によって求められる立地条件が異なります。
企業の意思決定や、全国規模の営業活動を行う部門は、公共交通や情報インフラが発達し、人と企業が集まりやすい場所、日本で言えば東京のような街が理想とされます。現在はリモートワークが普及していますが、新技術の開発や企業買収といった情報漏えいが許されない仕事では、今も「Face to Face」の情報交換が重視されます。そのため、東京のように企業や研究機関が集まり、物理的にアクセスしやすい立地が好まれるのです。
本社移転のリアル
こうした要因から、地方の企業が成長すると本社を東京に移転させることが一般化しています。大手銀行や証券取引所が集まる東京は、事業拡大に不可欠な資金調達面でメリットが大きく、省庁も集まっているため許認可なども得やすいのです。一方で、実際の移転には資金や組織変更などの準備が必要なため、一気に移るのではなく、まずは工場や営業所を展開するなど、足固めをした後に行われるのが一般的です。また近年は地価高騰の影響から、総務部や経理部など、外部との対面をさほど必要としない部門を東京以外に置く例も増えています。
産業立地と地域の発展
民間企業はそれぞれの考えに従って運営されており、拠点移動のタイミングや動機もさまざまです。企業が発行する社史や有価証券報告書、あるいは新聞の経済欄などを参考に、どの部署を、いつ、どこに移したのかを丹念に調査することで、そこに一定の論理があることがわかってきました。企業・産業が集まる場所には雇用も生まれ、人が集まり、地域経済が発展します。どういう企業や部門がどんな場所に集まるのかを考える研究は、自分たちが暮らす地域をより豊かにすることにもつながるのです。
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先生情報 / 大学情報

高知大学 人文社会科学部 社会科学コース 人文社会科学系人文社会科学部門 准教授 田中 康一 先生
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地域経済論、産業立地論、経済政策先生が目指すSDGs
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