地域の歴史に、持続可能な発展のヒントがある

地域経済活性化の道は
人口減少、高齢化、経済停滞といった課題が山積する地方では、地域経済の活性化が喫緊の課題となっています。地域経済活性化とは、人や文化、自然などの地域の資源を生かして、地域内で雇用や生産、消費の循環をつくり、持続的に発展する地域をつくる取り組みです。
大手資本の誘致などで活性化を図るケースもありますが、効果は一時的なものになりがちです。では、どのような道筋があるのでしょうか。
住民が積極的に参加
そのヒントは、地域の歴史から得られます。地域にもよりますが、ひと昔前は現在より人口が少なかったにもかかわらず、住民が中心となって地域経済を発展させた時代がありました。事例の一つが鉄道の誘致活動です。鉄道の誘致や運営には、設備費やメンテナンス費がかかります。それを鉄道会社や行政だけに任せず、住民もその費用の一部を負担するほど、住民が積極的に関わっていました。
車社会の到来で、廃線となった鉄道が数多くありますが、一部の路線は観光鉄道として運行されています。これも鉄道を運営するだけでは、観光は一過性のものになりがちです。地域の人が列車の乗客に手を振ったり、地域の魅力を伝えたりするなど、地域が共に活動することで地域創生につながっていきます。
歴史から価値が見える
地域産業の歴史を振り返ることも有益です。線香の産地として栄えたある地域は、最盛期に90軒あった製造業者が今は20軒足らずにまで激減しました。歴史を伝える史料は少なく、当時を知る高齢者に話を聞き、地図を作成するなどして当時の様子の再現に取り組みました。そうして価値のある地域の情報を形にし、施設などで一般公開することは、歴史を後世に残すことに加えて、人々の目に触れることで今の時代に適した商品開発のヒントにもつながります。地域の歴史から、地域の特性や地域が大切にしてきたことが見えてくるのです。歴史とともに、地域に暮らす人々の思いをくみ取ることで、住民が参加しやすい持続可能な活動となっていきます。
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神戸学院大学 経済学部 教授 関谷 次博 先生
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