人口減少時代の地方のまちづくりを考える

暮らしを守る都市計画
人口が増えると、その分さまざまな建物を増やす必要があります。しかし、やみくもに増やすわけにはいきません。例えば、住宅の隣に大きな音を出す工場を建てられてしまうと、住人は困ってしまいます。そんなことが起こらないように、きちんと市街地を整備し、都市の環境を守る「都市計画法」があり、「建築基準法」の中にも「集団規定」というルールがあります。
このようなルールやコントロールの手法を生み出している学問が「都市計画」です。一つの建物だけを見るのではなく、さまざまな建物が集まる「まち」を理解し、将来に向けてどのようなまちづくりが必要なのかを勉強する学問です。
簡単には答えが出ない魅力的なまちづくり
かつての都市計画は良好な市街地を拡大していくことが目標でした。しかし、今後は我が国全体の人口が減少します。昨今、下水道管が破損して道路が陥没したり、トンネルや橋が壊れたりといった出来事がニュースになりますが、人口減少が進む地方都市ではインフラの修繕を即決しづらくなっています。人口が減り続けている地域の橋を将来の世代にも負担がかかるかたちで架け直してよいのかという議論が起こるためです。人が減ればインフラの利用者も減り、税収も減りますが維持費はかかります。そうした状況で、どのように魅力的なまち、災害に強いまちをつくるのか、簡単には答えが出ないテーマなのです。
日本の未来を守る
残念ながら、人口減に対応したまちづくりの手本となる事例はまだ出てきていません。これだけ短期間に人口が急増し、一転して急増前の人口規模に戻っていく経験をしている国はほかになく、日本の地方都市は人口減少の最前線にいると言えます。都市計画は、個人財産である土地の所有問題も絡むため、強制的には進められないという難しさもあります。
こうした問題は地方だけの問題ではありません。地方の衰退は、いずれ国全体へ影響を及ぼします。コンパクトでも活気のあるまちをつくるための都市計画を考えることは、日本の未来を守ることでもあるのです。
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