企業の言葉選びは時代で変わる? SNS時代の表現は

企業の言葉選びは時代で変わる? SNS時代の表現は

誰もが発信できる時代

SNSやインターネットの発展により、誰もが情報を発信し、享受できる現在、公的な発信をする企業などの組織はリスクを考慮し、言葉選びに慎重になる傾向にあります。かつて公的な発信をする場は、テレビや新聞、そして限られた公式発表だけでした。しかし現代では、誰もがWebサイトやSNSのアカウントを持っていて、主体的に公的な発信ができる時代を迎えています。その結果、影響力を持つ立場ほどリスクを避け、控えめな発信をするようになっていると考えられます。

アメリカ企業のメッセージを調査

アメリカの売上上位約30社を対象に、企業が発信する言葉の変遷を調査した結果、同じ企業が同じトピックについて語っても、表現の仕方が時代によって変化していることがわかりました。紙媒体中心の1980年代は、主な聞き手が株主であることが明確でしたが、Webが普及した2000年代は不特定多数を意識した包括的・抽象的な表現へと変わります。他方で、踏み込んで表現しない分、送り手や対象が曖昧なメッセージも増えました。SNSの登場後は、長い文章が読まれづらくなり、短文のメッセージが増えています。大企業ほどトレンドを追うため、時代に合わせて言葉や表現を変えていると言えます。

ポジティブな言葉に潜む制約

ひと昔前の企業の発信では、「この経済不況では……」など、あえてネガティブな事実に言及する言い回しも見られました。しかし最近は、これから訪れる未来をポジティブに語る傾向にあります。これも不特定多数を意識し、聞こえの良い言葉を選んだ結果でしょう。このような状況は、誰もが自由に発信できるように見えて、実は聞き手が話し手をコントロールしていると言えます。また、発信者でもある聞き手の目を恐れ、話し手が無意識に当たり障りのない無難な表現しか使えないという制約を受けているとも言えます。一人一人が多様な表現を受け入れることができれば、もっと自由で個性的なメッセージがあふれ、社会はより豊かになるかもしれません。

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共立女子大学 国際学部 国際学科 講師 北澤 茉奈 先生

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メッセージ

対面だけでなくSNSなど交流の形が増え、コミュニケーションに悩む人もいるでしょう。そんなとき、言葉のバリエーションやその仕組みを知ると気持ちが楽になります。ポジティブな言葉や相手に合わせた話し方で、気分の切り替えも心の距離を縮めることもできます。例えば日本語と英語では、助言で好まれる言い回しが違います。日本語では相手に踏み込む「〜しないほうがいい」を使うのに対し、英語ではあえて距離を置いて「私なら〜しない」と言います。こうした背景を知ると選択肢が広がり、コミュニケーションはもっと楽しくなります。

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1886年、「女性の自立と自活」を建学の精神に掲げて設立されて以来、共立女子大学・共立女子短期大学は実学教育のパイオニアとして革新的な女子教育を追求してきました。
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