香りを目と耳で感じる 3D描写、メロディ化に挑戦

香りは見えない情報
植物の香りは、私たちにとって身近な存在です。アロマテラピーやインテリアフレグランスなどにも利用され、リラックス効果や癒しを与えてくれます。さらに近年では、植物の香り成分が抗炎症作用や抗菌作用など、さまざまな働きを持つこともわかってきました。
一方で、香りは小さな分子でできているため、目に見えません。「いい香り」と感じることはできても、どの成分がどのくらい含まれていて、それぞれの成分が香りにどの程度関わっているのかを直感的に理解することは難しいです。そこで進められているのが、「見えない香りを見えるようにする」研究です。
良い香りは安全? 効果と安全性を評価する研究
香り成分の中には、有用な働きを持つ一方で、高濃度になると肌への刺激が心配されるものもあります。そこで、香り成分をリポソームという小さなカプセルに封入し、培養細胞とヒトの両方で利用できる状態にすることで、安全性と効果を相互に評価する研究が進められています。モデル成分には、レモングラスに含まれているシトラールが用いられています。シトラールには、水虫菌などの増殖を抑える働きが知られていますが、刺激性も課題です。リポソームを利用することで、より安全で効果的な利用法の開発が期待されています。
香りを見る、聞く研究
また、植物の香り成分を分析し、その種類や量、ヒトがその香りをどのくらい感じやすいかといった情報を組み合わせて、「香りの3Dマップ」を作る研究も行われています。上から見ると、それぞれの香りの形が山脈のような立体として表れ、香りの違いを目で見て理解できる仕組みです。さらに、そのデータを音へ変換し、香りを「聞く」試みも進められています。現在はジャスミンの香り成分から短いメロディが作り出されていますが、さまざまな香りのメロディができると、香りの特徴が音で理解できるようになるかもしれません。香りという見えない存在を、視覚や聴覚でも感じられるようにすることで、人と香りの新しい関係が生み出されようとしています。
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先生情報 / 大学情報

共立女子大学 家政学部 食物栄養学科 准教授 根建 美也子 先生
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