SDGsを自治体が実践するには? 「問い」を見つけるゲーム作り

SDGsを自治体が実践するには? 「問い」を見つけるゲーム作り

身近な問いのきっかけになるSDGs

歩道の点字ブロックに自転車が置かれている光景を想像してみましょう。多くの人は、自転車を避けて歩くかもしれません。しかし視覚障害がある人は、状況がわからず困ってしまいます。国連サミットで採択されたSDGsの17目標には「人や国の不平等をなくそう(目標10)」があります。この観点で見ると、点字ブロックがふさがれている状況に「このままでいいのだろうか」と疑問が浮かぶでしょう。SDGsは生活の中から「問い」を立てる切り口としても役立つのです。

SDGsを自治体が達成するには?

SDGsの約65%は、地方自治体の関わりがなくては達成できないと言われています。例えば「住み続けられるまちづくりを(目標11)」には、ごみ処理などの項目も含まれており、自治体による効果的な政策策定と適切な実施が必要不可欠です。しかし、ただ「SDGsを達成しよう」と言われても、専門知識のない自治体職員は何が目標の達成につながるのか、すぐには判断できません。そこで専門家がSDGsを自治体向けに翻訳し、実践しやすくするための研究が行われています。

ゲームが実践のきっかけに

事例の一つが、東京都板橋区で作られた「いたばしさんぽ」というボードゲームです。すごろくのようなゲームで、マスに書かれたお題に挑戦します。例えば、外国語の言葉を読み上げて意味を考えるマスがあります。「読み方も意味もわからない」という参加者の感想はSDGsにつながります。自分たちが暮らすまちの様子を改めて見てみると、「日本語だけで書かれた案内文を見た外国人も同じように困るのではないか」との問いが浮かぶはずです。そこから、看板を複数の国の言葉で書いてみよう、といった実践に結びつく可能性があります。
また、ゲーム作りそのものもSDGsの理解につながります。「いたばしさんぽ」の制作過程で、SDGsにつながる問いをいくつも再発見しました。ほかの自治体でも、住民や自治体職員が実践しやすい形でSDGsを伝える試みが行われています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

北九州市立大学 法学部 政策科学科 准教授 高木 超 先生

北九州市立大学 法学部 政策科学科 准教授 高木 超 先生

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公共政策論、政策過程論

先生が目指すSDGs

メッセージ

高校までは、一問一答のように、「設定された問いに対する答えを考える」機会が多かったのではないでしょうか。しかし、大学では「問い自体を考える」機会が増えます。私の授業では、こうした高校と大学との大きな違いに学生が気づき、楽しんでもらえるように心がけています。また、SDGsの目標を「問い」だと考えて日常生活とひもづけてみると、身近に感じられます。例えば、「貧困をなくそう」だったら、そもそも自分が住むまちに貧困はあるのか、と調べるきっかけになります。SDGsを切り口に問いを立て、研究してみませんか?

先生への質問

  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

北九州市立大学に関心を持ったあなたは

北九州市立大学は、文系4学部・1学群(北方キャンパス:外国語・経済・文・法学部、地域創生学群)、理系1学部(ひびきのキャンパス:国際環境工学部)を擁する公立の総合大学です。
産業技術の蓄積、アジアとの交流の歴史、環境問題への取組といった北九州地域の特性をいかし、「地域に根ざし、時代をリードする人材の育成と知の創造」を目指し、「選ばれる大学への質的成長」「大学のプレゼンス(存在感)」「環境・地域・アジア」をキーワードに、語学教育、環境人材育成、地域人材育成に力を入れています。