ソーシャルメディアは本当にみんなのもの? 少数派が抱える困難

便利の裏側で置き去りにされる人たち
私たちが毎日使うソーシャルメディアは、本当に「みんなのもの」なのでしょうか。例えば、日本語を母国語としない人など、サービスの対象として想定されないまま取り残されてしまっている人たちがいます。誰かが意図的に排除しているわけではありません。広告収入を得るためには、ターゲットとなる利用者層を絞り込む必要があるからです。その過程で、数が少なく、収益につながりにくい人たちは後回しにされてしまいます。こうした商業的な設計の積み重ねの中で、気づかないうちに一部の人たちにとっての使いにくさは生まれるのです。そんな見えにくい問題がソーシャルメディアには潜んでいます。
「言語的少数派」の困難
少数派の人たちは、情報を得る際にさまざまな困難を抱えていることが見えてきました。ブラジルにルーツを持つ日本在住の人たちの場合、いわゆるガラケーが主流だった時代にはポルトガル語特有の記号が打てず、単語の意味すら伝えられませんでした。日本語を使う人には気づきにくい問題ですが、当事者にとっては日常のコミュニケーションに関わる深刻な問題でした。今も、ソーシャルメディアの新しい機能やサービスが、少数派の人たちを対象として設計されないケースが続いています。
誰もが「当たり前」ではない
困難を抱えながらも、状況に対応してメディアを使いこなす人たちもいます。リーマンショック後に職を失った在日ブラジル人が苦境を歌にしてYouTubeで発信したところ、アメリカで働くブラジル人の移民労働者から共感のコメントが集まりました。少数派の人たちはただ困難に置かれているだけでなく、メディアを能動的に活用しています。
自分が毎日当たり前に使っているサービスが、誰かにとっては当たり前ではないかもしれないという事実に気づく視点が、社会をより良くするための出発点になります。誰もが必要な情報を得やすい社会をめざし、取り残される人たちをなくすことが、これからの社会の課題です。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
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