動きと生活を支える手のリハビリテーション

手は生活に欠かせない
手は精巧な運動が必要なだけではなく、精密な知覚機能も必要です。これが第二の脳とも言われる所以です。手の機能が何らかの原因で障害されると、生活動作が著しく制約を受けることになります。
手指は、3つの機能に分類されます。親指は、手指の中でも最も重要で、人間特有の機能である対立(ほかの指に対向する)機能を持っています。この機能の低下はつまむ機能の低下につながります。次に、人差し指・中指は親指に対して向き合う機能が重要で親指と共につまみ機能を維持します。薬指と小指は握力に重要で、そのためには、握るための十分な可動域と筋力が必要になります。
このつまみ、握りという基本的な手の機能の低下が、えんぴつを操作する、ペットボトルの蓋を開閉するなどの動作の低下に直結するのです。
小指の機能を最大限に高める!
小指と人差し指で同じ場所を骨折した場合、小指の方が指が曲がらなくなる確率が高いこともわかっています。超音波診断装置(エコー)で小指の腱の動きを見てみると、1本の腱が縦方向だけではなく、横方向にも動いていることが確認されました。つまり、指を骨折したときには、ギプスなどで固定するため腱の動きが制限され、小指の方が曲がりにくくなると推測できます。さらに別の調査では、小指の動きが悪いと親指の動きも悪くなるというデータもあります。そこで筋肉の動きを評価する筋電図などを活用して、指同士の連携についても調べられました。
障害を予測し、手の動きを高めるハンドセラピィ
高齢化が進む日本では、けがや骨折、関節症、内科疾患による神経障害などで、手のリハビリテーションの需要が高まっています。特に、手のけがの後のリハビリテーションでは、身体機能の回復のサポートと、日常生活のサポートを主に作業療法士が支えます。手の機能を分析する科学的手法を利用しながら、手の動きを効果的に高める方法を検討し、生活の視点を忘れないのが「ハンドセラピィ」です。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報

関西医科大学 リハビリテーション学部 作業療法学科 助教 蓬莱谷 耕士 先生
興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!
作業療法先生が目指すSDGs
先生への質問
- 先生の学問へのきっかけは?
- 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?
![選択:[SDGsアイコン目標3]](https://telemail.jp/shingaku/requestren/img/data/SDGs-3-active.png )