人口減少に「適応」するまちづくりを考える

人口減少を前提とした仕組み
日本では人口減少が進み、多くの地域で人手不足や高齢化が課題となっています。その解決策として従来は、「減り方をどう緩和するか」が重視されてきました。しかし、日本の人口は少なくとも今後20~30年は減り続ける見込みです。そこで、「人口が減ることを前提に、社会をどう維持するか」を考える、適応策の研究も注目されています。寒ければ服を重ね着するように、人が少なくなる社会に合った暮らしの仕組みをつくるアプローチです。
空き家を住民の手で活かす
緩和と適応にまたがる方策として、空き家の活用があります。緩和策の中心である移住施策を進める際に問題となるのが、移住者の住まいです。空き家を移住者に貸すことで、住まいの問題を解決すると同時に、空き家の放置による防災や防犯上の懸念も解消されます。
この活動の壁となるのが「空き家なのに所有者が貸してくれない」という問題です。「盆暮れの帰省に使う」「知らない人に貸したくない」と渋られるケースが多く、行政だけでは解決が困難です。そこで、住民が主体的に動き、地元のリーダーが昔の同級生に声を掛けたり、住民がNPOを立ち上げて所有者から空き家を借り受けて、移住希望者に貸す仕組みを整えたりして解決する例が生まれています。
住民や自治体の声から考える
人口減少への対応は、全国共通の正解があるわけではありません。都市部と地方では事情が異なり、同じ地方でも地域ごとに課題は変わります。そのため、実際に地域に入り、住民や自治体の声を聞いて調査することが欠かせません。調査を土台に、「人数が減っても続けられる行事の形は」「買い物や通院を支える交通をどう維持するか」といった具体的なテーマが検討されています。地域の歴史や人々のつながりを大切にしながら、地域の未来を展望し、新しい社会のあり方を考える試みが実践されています。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
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