「教える」から「支える」へ 学校体育の意味を考える

「教える」から「支える」へ 学校体育の意味を考える

なぜ「やらされるもの」に?

「体育が苦手だった」「部活がつらかった」、そんな経験を持つ人は少なくありません。なぜ学校のスポーツは「やらされるもの」になりやすいのでしょうか?
背景には、「教師が教え、生徒は従う」という学校文化の影響があります。しかしスポーツは本来、自分たちが楽しめるように、ルールなどを工夫しながらやるものではないか、という視点があります。勝利や記録を追い求めるだけではなく、「どうすればみんなが楽しめるのか」を考えることも、スポーツの大切な価値です。近年、その「楽しさ」の再定義も求められています。

スポーツをつくる経験とは

学校体育を「ドライブ」に例えて考えてみましょう。授業の体育は、いわば助手席に乗った状態で、まずは体を動かす楽しさを知る時間です。しかし、本当にドライブを楽しむには、自分で運転する経験が必要です。学校体育でその経験ができるのが、体育祭や運動会、休み時間の遊び、部活動です。自分たちでルールを決めたり、役割を分担したり、仲間と意見をぶつけ合う中で、「スポーツをつくっていく力」が育っていきます。ただ現実には、教師がすべてを決め、生徒が指示待ちになってしまうケースも少なくありません。

見直される教師の役割

学校体育の研究では、教師の役割の見直しも進んでいます。これまでのように「正解を教える人」ではなく、生徒と一緒に考えながら支えていく「伴走者」として関わることが重視されるようになっています。例えば部活動でも、「勝つために従わせる」のではなく、「どうすれば全員が成長できるか」を生徒自身が考えることが大切だと考えられています。スポーツを通して身につくのは技術だけではありません。他者と協力し、自分たちで環境をつくる経験は、社会に出た後も必要とされる「生きる力」になります。学校体育が持つ意味が、いま改めて問い直されています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

順天堂大学 スポーツ健康科学部  助教 伊藤 まこと 先生

順天堂大学 スポーツ健康科学部 助教 伊藤 まこと 先生

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体育・スポーツ経営学、学校体育経営学

先生が目指すSDGs

メッセージ

体育や部活動で、「なぜこれをするのだろう」「納得できない」と感じた経験はありませんか。その違和感は、実はとても大切な学びの入り口です。大事なのは、自分を責めることではなく、「なぜそうなるのか」を考えてみることです。スポーツや学校には、まだ当たり前だと思われている課題がたくさん残っています。スポーツが好きだった人も、苦手だった人も、その経験が研究につながります。普段の学校生活の中にこそ、未来の研究テーマは眠っています。

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スポーツ健康科学部は、「スポーツと健康」に関する多角的な視点、専門性並びに高い倫理観を備え、スポーツを通じて持続可能な社会の構築に貢献できる人材を養成することを目指しています。
スポーツを「する」「みる」「ささえる」「ひろげる」というさまざまなアプローチで、学生一人ひとりの能力や強み、そして、可能性を最大限に伸ばすことができるサポート体制を備えています。
私たちと一緒に、スポーツの力がもたらす夢や未来を描いていきましょう。