英語を「ネイティブ」発音すべき? 音の分析でわかる母語の影響

音の違いを客観的に表す
日本語の母音は「あいうえお」の5音です。一方で、英語の母音は日本語よりも細かく分かれていて、十数種類もあります。日本語を母語とする人には区別しにくい、発音しにくい音も存在します。日本語の母音との違いは耳で聞いてなんとなく理解できても、その違いを明確に表すことは難しいものです。
そこで音の違いを見分ける指標となるのが、音の中で特に強く響く周波数帯域「フォルマント」の数値です。母音の音色を決めているのは主に舌の位置で、舌の高さと前後位置という2つの動きの組み合わせで音の違いが生まれます。音声分析ソフトを使い、この2つのフォルマントに注目して測定・分析することで、音の違いが数値データとして現れるのです。
データが示す母語の特徴
フォルマントの分析から見えてきたことは、どの言語を母語とする人であっても、外国語を話す際には母語の母音の特徴が色濃く残るということです。耳で聞けば「なかなか上手に話している」と感じられる発音でも、フォルマントを測定すると母語の影響が数値データとしてはっきりと浮かび上がるのです。
母語の音声的特徴は、どれだけ外国語学習を重ねてもそう簡単には変わりません。では、この事実をどのように受け止め、生かすことができるのでしょうか。
英語の音は豊か
英語のネイティブ話者は世界の英語使用者の中では少数で、英語とは異なる母語を持つ数多くの人が英語を使っています。誰もが同じように英語を話しているわけではなく、それぞれの母語の特徴が現れたり、なまりが出たりするのは自然なことです。音声分析データが示す事実は、無理にネイティブと同じ発音をめざすのではなく、多様な英語の在り方を自然に受け入れるための根拠になるかもしれません。
さらに、可視化したデータを発音記号のような専門的な形式ではなく、言葉やイラストといったわかりやすい表現で直感的に示すことができれば、英語の音の豊かさはより多くの学習者に開かれたものになるでしょう。
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