ストリートチルドレンの裏にあるアフリカ社会のひずみ

ストリートチルドレンの裏にあるアフリカ社会のひずみ

物乞いする子どもの真実

西アフリカの内陸国、ブルキナファソでは、路上で物乞いをする子どもたちが多く見られます。「ストリートチルドレン」と呼ばれるこの子どもたちは、貧困や家庭の暴力から逃れてきたと思われがちです。しかし、1997年にブルキナファソで行われた統計調査により、ストリートチルドレンの約4割はコーラン学校と呼ばれるイスラムの寄宿舎制学校に通う生徒であることが明らかになりました。その後の調査により、貧困のため親から十分な学費や生活費をもらえない子どもたちが、学費を稼ぐために夏休みに路上へ出て、日銭を稼いで先生に渡すというサイクルが形成されていることや、物乞いによって学校に通い続けられている状況が判明したのです。

たくましい路上生活

政府が約300人のストリートチルドレンを施設に収容したことがありました。適切な教育を受けさせ、社会で生活できるようにするプログラムでしたが、ほぼ全員が1週間ほどで逃げ出しました。理由の多くが、「まずい」「朝も昼も夜も同じ」という食事に対する不満でした。彼らはイスラムの喜捨(寄付)の文化を利用して、路上生活で屋台の客から食べ物をもらい、おいしい屋台の味を知り尽くしていました。そのため、施設の食事に満足できなかったのです。「かわいそう」という目線だけでは見えてこない、たくましい生活の実態がそこにあります。

都市化が変えるもの

ストリートチルドレンの研究は、都市での調査が中心になりがちです。しかし、都市だけを見ても、子どもたちが路上に出る背景の一部しか見えてきません。農村でコーラン学校の先生と生徒が共に畑を耕す姿を知ることで、急激な都市化が伝統的な共同体のあり方を変えたことや、農業労働が路上での物乞いに変容したことがわかります。宗教、食、教育といった問題が複雑に絡み合うブルキナファソの社会を多角的に見つめることで、ストリートチルドレンという現象の裏にある現実が、少しずつ明らかになっていくのです。

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京都精華大学 人文学部 国際教養学科 国際文化コース 准教授 清水 貴夫 先生

京都精華大学 人文学部 国際教養学科 国際文化コース 准教授 清水 貴夫 先生

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文化人類学、アフリカ地域研究

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世界は広く、「わからないこと」がたくさんあります。大学では、あなたが興味を持ったことは何でも勉強できます。「わからないことは」は、自分が育ってきた環境の中で感じた違和感や疑問から生まれてきます。そうした関心を持つことはとても大切なことです。そこで感じる、「なんか変だな」「どうしてだろう」という、日常生活で感じるその感覚こそが、学問の出発点になります。その気持ちをそのまま持って、ぜひ大学の門をたたいてください。

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