国語が変われば学校が変わる 交流する授業で多様性と向き合う

人を回復させることばの力
自身の体のこと、友人や知人、家族との関係など、誰もが「どうにもならない」と感じる生きづらさがあります。生きづらさは、ことばにして誰かと共有することで問題が整理されたり、気持ちが楽になったりすることがあります。ことばには、人を回復させる力があるのです。
国語科の授業では、子どもたちが話し合う時間を多く取ること、文章を書いて自身を見つめたり、書いたものを互いに読み合ったりする場をもうけることが必要です。ことばで回復し合う関係性を築きつつ、教員が前に出過ぎることなく、子どもたちがことばの力を実感できる授業が求められています。
多様な自己・他者・社会と向き合うことばの教育
多様性に焦点をあてるインクルーシブ教育の考え方を国語科に取り入れることで、ことばの学びはさらに深まります。例えば、自分の好きな絵本を紹介する活動では、「自分の紹介シートをどう書くか」といった書く力が問われつつも、「他者の紹介シートをどう読むか」といった読む力も問われています。仲良しの子が自分と異なる価値観を持っていることや、かかわりのなかった子が面白い考えを持っていたなどの発見があります。自身の思い込みと向き合うことで、自己や他者や社会をかたちづけていた自分のことばに変化が生まれます。教科書も含め、多様な教材を用いて多様な自己・他者・社会と向き合う教科が国語科なのです。
自分の思いや願いの言語化と、他者との共有へ
国際的な学力調査では、日本の子どもは知識や解釈の力は高い一方で、自分の考えを述べる力が弱いことが指摘されています。自分の思いや願いを言語化して他者と共有する経験が不足していることは、教育全体が抱える課題だと言えるでしょう。国語科に多様な教材を取り入れることで、子どもたちの言語化と共有の場をつくることが求められています。すべての紛争や戦争は、ことばでのコミュニケーションを放棄することから始まります。ことばの大切さと難しさをかみしめつつ、国語科で生まれる学びから世界は変えていけるのです。
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先生情報 / 大学情報

関西学院大学 教育学部 教育学科 初等教育学コース 教授 原田 大介 先生
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