気象病に天気予報にまちづくり! 「気象学」は生活に結びつく科学

気象病に天気予報にまちづくり! 「気象学」は生活に結びつく科学

体に影響を及ぼす気圧の変化

気象学は、私たちの暮らしに身近な科学です。例えば「気象病」です。低気圧が近づくとめまいや頭痛などに悩まされる人がいますが、これは気圧の低下だけでなく、その周期的な変動も原因かもしれません。例えば、2本の同じ高さの音叉(おんさ)の片方をたたくと、たたいていない方の音叉も音を出すように、自分の「振動数」に近い周期の波を外から受けて、振動が大きくなる現象を「共振共鳴現象」といいます。このように、気圧変動による振動が、人の体に共振共鳴を起こしている可能性があります。
それを確かめるため、小学校の百葉箱にセンサを設置して気象データを測定しつつ、保健室に来る子どもたちの体調の観察が進められています。気象病の原因がはっきりすれば、気圧に合わせて無理なく過ごす方法も見つけやすくなりそうです。

気象学と私たちの暮らし

また、「天気予報」も身近な気象学の例です。気象学とコンピュータ科学の発展で、かなり細かな予報が可能になりました。ゲリラ豪雨や台風の際、報道では自身が取るべき行動が繰り返し呼びかけられ、私たちは災害を「正しく怖れる」ようになり、命を守ることにつながっています。また、ヒートアイランド対策に風の通り道を確保する建物配置をしたり、雨水を排水する構造を取り入れたりと、気象学の知見はまちづくりにも生かされています。

海洋循環と気候

より大きな視野で気象学をとらえましょう。海水が1000~2000年の周期で地球規模に循環することを「海洋循環」といいます。海洋循環を作り出すのは、塩分濃度の高い「重い」海水の深部への沈み込みです。この海洋循環は、地球環境に大きな影響を与えています。およそ1万年前、北米にあった氷床が溶けたことで海水の塩分濃度が下がりました。その結果、海洋循環が止まり、地球全体が寒冷化したことがわかってきました。
現在、温暖化によって極域で海氷が溶けています。このまま温暖化が進むのか、それとも寒冷化するのか、観察が続けられています。

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立正大学 地球環境科学部 環境システム学科 教授 馬場 賢治 先生

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気候学、気象学、生気象学、理科教育

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メッセージ

失敗を恐れずどんどんチャレンジしてください。失敗をしたとしても、次に活かせます。一度やってみれば、次はどうすればいいかがわかります。若いうちにたくさん失敗して、その経験を糧にして次につなげていってほしいです。失敗を重ねれば重ねるほど、人間として豊かになっていきます。40歳や50歳になってからの失敗は取り返しがつかなくなることもあります。しかし、若いうちの失敗は、次に取り返せばいいので、いくらしてもいいのです。失敗を恐れるあまり、「何もしない」のが一番の失敗だと私は思います。

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