テクノロジーの力で重度障害児の認識を可視化する

視線入力のアプリを開発
重い障害がある子どもは、表情の変化や刺激への反応が見えにくいため、ほとんど何も理解していないのではないかと思われがちです。実際、そのような重度障害児に対しては特別支援学校でも学習の指導はあまり行われません。ところが周囲が思っている以上に、重度の障害がある子どもたちは物事を理解できていることがあります。
そんな子どもたちのサポートに役立つ、子どもの認識状態を可視化するアプリケーションが開発されています。体は自由に動かせないものの、視線で意思や反応を示すことができる子どもはいます。そこで、画面への視線や見つめるという動作でマウスを動かすようにパソコンなどを操作できる「視線入力」の技術を使います。
本人と支援者に変化
アプリケーションは主にゲームをベースとしています。最初に取り組むゲームは画面に現れる風船を視線入力で割るというもので、風船を認識できているかがわかります。そこから何かを選ぶゲームなどに発展させることで、認知の度合いを知ることができます。風船を割るなどの操作をすると、体に振動が伝わるデバイスも開発されています。これは視線入力をフィードバックすることで、画面の出来事と「見る」という動作をつなげるものです。
視線入力のゲームは、物をしっかり見るようになるなど障害児によい変化をもたらし、家族や教員などの支援者にも大きなメリットがあります。反応がわからなかった子どもの認識状態がわかることで支援のモチベーションが上がるのです。その結果子どもの教育環境も改善します。
オンラインのゲーム大会なども行われており、本人の刺激になるとともに、支援者の横のつながりづくりにも貢献しています。
脳波による可視化も
こうしたアプリの開発には現場の意見を取り入れることが大切です。ニーズを正確に把握するため、重度障害児の家庭に泊まって一緒に生活することも行われています。障害者の中には視線を動かすのが難しい人もいるので、脳波の測定などによる認識の可視化も検討されています。
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