日本のゲーム業界が盛り上がるには? 芸術としてのゲーム論

ゲームは総合芸術
ゲームは、ビジュアル、サウンド、ストーリーといった要素を統合したメディアです。映画や舞台と同じく、複数のクリエイティブ要素の組み合わせで一つの作品が成立しています。ゲームはさらに、プレイヤーが操作して作品世界に関わり、行動と選択によって体験が変わるという、ほかの芸術にはない特性も持っています。
しかし、ゲーム業界では往々にして商業的価値が優先されます。ゲーム市場では「売れる娯楽商品」が優れた作品だと捉えることがほとんどなのです。
何を表現したいのか
一方で、ゲームを単なる商品ではなく、総合芸術作品として捉える作り手も存在します。総合芸術として捉えると、制作者の意識は変化します。「何を表現したいのか」という視点を大切にするようになるからです。意識の転換により、制作者は絵画や彫刻を制作するかのようにあらゆる要素に注意を払うようになります。そうしたこだわりによって、新しい面白さ、驚きを求める文化は続いていきます。「表現する」という意識は、ゲーム制作において忘れてはならない大事な姿勢と言えるでしょう。
世界の潮流と日本の違いは
日本のゲーム業界は転機を迎えています。世界的には巨額の予算を掛けた大規模開発が当たり前になる一方で、日本で同規模の開発は難しくなっています。半面、希望が持てるムーブメントもあり、小規模のインディーゲームが近年海外でも盛り上がりを見せています。『マインクラフト』のように、たった1人の開発から世界的な成功に至る事例は、才能とアイデアが大資本にも勝り得ることを示しています。
また、教育分野でもゲームの捉え方が変わりつつあります。例えば、大学にゲームコースが設立され、芸術として研究する動きが始まりました。こうした変化は、ゲームが娯楽産業の枠を超え、文化的、芸術的な価値を持つメディアとして認識されるようになったことを意味します。芸術としての見方が定着することで、ゲーム文化はさらに豊かに発展していくでしょう。
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先生情報 / 大学情報

尚美学園大学 芸術情報学部 情報表現学科 教授 野上 竜一 先生
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