「やる気」と「能力」が高い人材が組織には良いの?

世の中の風潮にモヤモヤしない?
「自分みたいな陰キャでコミュ障で、指示されるまで動けない人間でも立派な社会人になれるの?」と不安な人はいませんか。今の世の中では「自分で課題を見つけ、解決するタイプ」が高く評価される傾向にあるようです。つまり、「やる気」も「能力」も高い人材が「良い人材」と見なされていると考えられます。
しかし、世の中にはいろいろな人がいて、みんなで世界をつくっています。そこで、マルチエージェントシミュレーションで、「やる気」も「能力」も高い人材が、本当に企業に成果をもたらす「良い人材」なのか検証が行われました。
仮想空間で「組織」を動かす
検証では、人材類型として、19世紀のプロシャの軍人が言った「モルトケの法則」が参考にされました。これは、人材を「やる気」と「能力」の2軸で、それぞれ「高い・低い」の組み合わせで4種類に分けたものです。一般的には「やる気」も「能力」も高い人材が良いとされていますが、モルトケは「やる気」は低く「能力」は高い人材が良いとした法則です。
次に、仮想空間のエージェントに、この4類型の特徴が出るよう、不審者をとらえる警備業務をしてもらうプログラムを作成しました。
モヤモヤを感じた世の中に「物申す」
組織として、4類型の人材を組み合わせた多様なチームを作成して検証が行われました。その結果、最も高い成果を上げたのは、検証前に成功を予想して「"イケイケ"チーム」と名付けた、「やる気も能力も高い人材」が集うチームでした。一方で、モルトケの指摘通り、「"光る中小企業"チーム」と名付けた「やる気はないが能力が高い人材」を多く集めたチームも、ほぼ同率の成果を上げるという結果になりました。
この結果は、「やる気と能力の双方が高い人材のみが良い」とされる今の世の中の風潮に対し、一石を投じるデータだと言えます。
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帝京平成大学 共創学部 デジタル共創学科 准教授 礒部 大 先生
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