人はどのように仲間になるのか? 写真と対話で探る子どもの世界

子どもの内なる声をどう理解するか
近年は少子化や共働き世帯の増加により、子どもが保育園で過ごす時間が長くなっています。かつては家族や地域の人々など、さまざまな大人が子どもと日常的につながる機会がありました。しかし現在では、ほとんどの時間を保育園で過ごすことから、保育園が子どもを理解する重要な場になっています。
子どもの権利条約では、自分の意見を表明する権利が重視されていますが、幼い子どもは自分の気持ちや考えを言葉で十分に伝えられるとは限りません。そこで、子どもの内なる声を深く理解する方法が研究されています。
写真から見える園児の世界
方法の一つが、子どもに撮りたい写真を自由に撮ってもらう取り組みです。例えば、ある子どもは保育園で、名前が書かれたフックが横一列に並ぶ「ハンカチ掛け」を撮影してきました。保育者は毎日その場所に向かう子どもの姿を見ていましたが、行動の意味が理解できていませんでした。そこで写真を撮った理由を尋ねると、その子は「誰が来ているか見ていた」と話しました。この保育園では毎朝、登園した子どもがそこに自分のハンカチを掛けるため、それを見て先に誰が来ているかを確かめていたのです。写真をきっかけに対話することで、子どもがどのような人との関係のなかで園生活を経験しているのかが見えてきました。
子どもの内面は豊かで複雑
この方法で重要なのは、写真を媒介にして子どもと対話することです。写真を見ながら話していると、別の子どもが会話に加わり、「私もそう思った」「それ知っている」などと話が広がることもあります。そうしたやり取りを通じ、子どもたちが何を感じ、何を楽しみ、何を考えながら日々を過ごしているのかが見えてきます。
大人はつい自分の経験から子どもを理解したつもりになりがちです。しかし、子どもの世界は大人が想像する以上に豊かで、複雑です。写真と対話を通して子どもの声に耳を傾けることで、子どもたちがどのような人や場所との関係のなかで日々を過ごしているのかが見えてきます。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
![選択:[SDGsアイコン目標3]](https://telemail.jp/shingaku/requestren/img/data/SDGs-3-active.png )
![選択:[SDGsアイコン目標4]](https://telemail.jp/shingaku/requestren/img/data/SDGs-4-active.png )
