スポーツで「生きる力」を育むためには?

スポーツの価値
スポーツでは、勝敗や記録が注目されることが少なくありませんが、競技を通して得られるものはそれだけではありません。一生懸命に努力した経験や、仲間と支え合ったり、困難を乗り越えたりした経験は、その後の人生を支える自信につながります。
こうした「生きることへの自信」は、スポーツを通じてどのように育まれるのでしょうか。また、それを支えるコーチングにはどのような役割があるのでしょうか。
経験は人生にどう生かされるのか
競技経験が選手の人間的な成長に与える影響を明らかにするために、トップアスリートがどのような経験を積み、それをどのように受け止めてきたのかが調査されています。インタビューを通して彼らの競技人生を振り返ると、成功した経験だけでなく、苦しかった経験や思うような結果が得られなかった経験も、その後の人生や考え方に大きな影響を与えていることがわかってきました。また、その後指導者になった人は、当時は意義を見いだせなかった出来事を後になって振り返り、新たな学びとして意味づけ直したものが、指導する上での大切な哲学になっていることが明らかにされています。
成長を支えるコーチの役割
こうした研究では、競技力を高めることと人として成長することは、互いに影響し合うものととらえられています。また、子どもの指導に関する研究から、厳しく叱るよりも、肯定的な関わりの方が子どもの幸福度を高めることが示されています。
このような知見を競技現場に広げるため、指導者を育てる活動も行われています。例えば、ある体操クラブでは、競技力の向上・自信の付与・関係性の構築・人格形成を軸とした指導者研修が実施されました。研修後に保護者にアンケートを行ったところ、子どもが家に帰って「今日これを頑張った」「コーチに褒められた」と自ら話すようになったという回答が多く寄せられました。
「競技を通して育まれた経験が、その後の人生を支える力になる」という視点から、スポーツの新たな価値が探究されています。
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