馬との交流で人を健康に 馬介在介入の指導方法を探る

動物との交流で健康を促す
動物と触れ合うことで人の心や体を健康な状態へと導く活動に動物介在介入、いわゆる「アニマルセラピー」があります。その一環として、馬介在介入に取り組んでいる乗馬クラブもあります。しかし、指導の質が不十分な現場も出てきました。この状況を改善するには、どう指導すれば人の心身にいい影響を与えられるのか、きちんとした検証が必要です。
馬と触れ合った人の反応
研究の一つに、うつ病を抱える大人を対象に、馬との交流による人への効果の過程があります。月に1回1時間程度、馬と触れ合う機会を用意して、参加者の反応を測定します。すると、馬との触れ合い中や直後は楽しさを感じるものの、翌日は寝込んでしまうということが確認されました。気分が急激に上昇した反動で疲れてしまうのです。先行研究では馬との交流中や直後に人の心の変化のみを測定しており、そのため活動の頻度について同時に研究されたものはありませんでした。しかし長期的に研究した結果、頻度を高めすぎると参加者の負担が大きくなってしまうことがわかりました。
適切な馬介在介入をめざして
また、乗馬以外の活動にも一定の効果がある、という点も明らかになりました。研究では馬との関係をつくることを目的に、ブラッシングや手綱を引いた散歩(ひき馬)が中心でしたが、1年ほど続けると少しずつ症状に回復の兆しが現れたのです。活動頻度や内容をオーダーメイドで考えることが、馬介在介入では重要だといえます。
障害者乗馬の指導方法の研究は、視覚や聴覚に障害のある人の乗馬でも求められています。視覚障害者による乗馬はパラリンピック種目にもなっているため指導ガイドラインがありますが、コーチングの視点なども踏まえ多角的に内容を検討する必要があります。また聴覚障害者による乗馬にはガイドラインがなく、指導者も不安を抱えながら手探りで教えています。よりよい教え方の提案をめざして、実践事例の検証が行われています。
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筑波技術大学 障害者高等教育研究支援センター 助教 渕上 真帆 先生
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