バイオマス化学入門ー捨てられる草木が宝になる?

石油の代わりは森にある? 植物資源の化学
バイオマスとは、植物が光合成で作る「くり返し使えるエコな資源」のことです。石油などの化石資源と違って、使っても大気中の二酸化炭素(CO₂)を増やさない、地球温暖化ストップの鍵となる資源として期待されています。世界中の森には、人類が使う石油124年分にも相当する「バイオマス資源」が眠っています。
草木を分子で見ると世界が変わる
ただの木片や落ち葉を「分子」というミクロの虫メガネで覗くと、驚きの世界が広がっています。
草木など植物に含まれる「リグニン」という成分は、分子で見ると石油やベンゼン環がたくさん集まった石油や石炭とそっくりな形をしていて、ゴミとして捨てられる草木が「くり返し使える未来の石油」であることがわかります。「ただのゴミ」だと思っていたものが、分子レベルではお宝だったのです。そんな自然の隠れた姿を解き明かすことで、何気なく見ていた世界が変わって見えてきます。
ロスフラワーが化粧品に? 植物ナノ粒子の不思議
木片にマイクロ波などの特別なエネルギーを加えると、私たちの生活を支える化粧品や医薬品の材料に大変身します。このように、ゴミとして捨てられるものの価値を高めて生まれ変わらせることを「アップサイクル」と呼びます。同じように、捨てられる花「ロスフラワー」からは、高級化粧品やがんの治療薬として使える「エクソソーム」というナノサイズのカプセルを採り出すことができます。さらに、1000年以上前の宝物、例えば正倉院の布などに使われた植物染料は、現代の人工的な染料よりも強くて色あせないという驚きの性能を発揮します。こうして今まで「ゴミ」同然だった草木(バイオマス)を、最新の化学でお宝に変えるこの技術によって、資源を無限に繰り返し使うことができれば、人類は自然と共生し、戦争の無い持続可能な社会が実現できるのではないでしょうか。
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