資源地質学×情報学で鉱石を鑑定するAIを開発!

資源地質学×情報学で鉱石を鑑定するAIを開発!

新しい鉱山操業を担うスマートマイニング

現代の鉱山が抱える課題には、鉱石中に含まれる金や銅といった有価金属の割合の低下や、ベテランの地質技術者の減少などがあります。こうした課題を解決するために、地質学の知識がない人でも効率的に鉱石の判別ができるシステムの開発が進められています。従来の採鉱学にAIなどのテクノロジーを取り入れて、効率化や安全性の向上をめざす鉱山操業のモデルを「スマートマイニング」といい、次世代の鉱山開発として注目されています。

鑑定技術と特殊カメラの情報をAIが学習

AIによる鉱石の判別に活躍するのが、ハイパースペクトルカメラという特殊なカメラです。一般的なカメラが捉えられるのはRGB(赤、緑、青)の3波長だけですが、ハイパースペクトルカメラは200以上の波長の取得が可能で、1回の撮影で大量の情報を得ることができます。ハイパースペクトルカメラで撮影した鉱石の画像と、地質学者によるその岩石の鑑定結果とをAIに学習させることで、鉱石の鑑定が高精度になるのです。鉱石の種類によっては、鑑定だけでなく鉱物の含有率を推定することも可能です。
一方、野外で鉱体を判別するAIの開発も進められています。数キロメートル四方の範囲をドローンで撮影し、その画像と実際に地質調査を行って作った地図とを照らし合わせます。どのような鉱体がどのように分布しているのかをAIに学習させて、鉱床探査に役立てるのです。

クリーンテクノロジーにも貢献

鉱石や幅広く分布する鉱体を判別するAIは個々の現場のニーズに応じて開発されていますが、将来的には汎用性を持たせることが望まれます。また、ハイパースペクトルカメラは非常に高価で撮影にも時間がかかるため、AIが鉱石の特徴の判断に使用している波長だけに絞ったマルチスペクトルカメラの導入が検討されています。
銅や金以外にも、クリーンテクノロジーに必要となるリチウムやニッケル、コバルトなどの探査・判別システムの開発も進められています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。

先生情報 / 大学情報

北海道大学 工学研究院  准教授 大友 陽子 先生

北海道大学 工学研究院 准教授 大友 陽子 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

資源地質学、資源情報学、地球科学

先生が目指すSDGs

メッセージ

日本は資源の少ない国ですから、資源系の人材はニーズが少ないと思われがちですが、実際は全くその逆です。日本が得意とするハイテク産業の原材料は現状、海外からの輸入に頼っています。資源がないからこそ、それを確保するための資源の研究は日本にとって不可欠です。ですから資源系人材への業界のニーズは非常に高いのです。本学は資源について学べる数少ない大学の一つで、就職率も良いので、資源開発の分野に興味があり、世界で活躍したいなら、ぜひ本学に来てください。

先生への質問

  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

北海道大学に関心を持ったあなたは

北海道大学は、学士号を授与する日本最初の大学である札幌農学校として1876年に創設されました。初代教頭のクラーク博士が札幌を去る際に学生に残した、「Boys, be ambitious!」は、日本の若者によく知られた言葉で本学のモットーでもあります。また、140余年の歴史の中で教育研究の理念として、「フロンティア精神」、「国際性の涵養」、「全人教育」、「実学の重視」を掲げ、現在、国際的な教育研究の拠点を目指して教職員・学生が一丸となって努力しています。