言葉から「性格」を科学する

性格を測定する地図作り
心理学の基本は、心の何かを測定することです。パーソナリティ研究の中の語彙研究は、性格を測定するための地図作りというイメージで、性格を表す言葉のうち、意味の近い言葉、遠い言葉を並べることで人の性格の全体像把握をめざします。これまでは対象者に質問を読んで回答してもらう質問紙調査が主流で、その手法から必然的に青壮年を対象とした研究が中心でした。しかし、人の性格をひも解くにはそこまでの成長過程も知る必要があることから、3歳、小1、小4、中1の子どもたちのパーソナリティ研究が進められています。
インタビューで調査を実施
子どものパーソナリティ研究は、本人ではなく保護者にインタビューを行い、子どもについて話してもらうという方法で進めます。質問紙調査では、広辞苑などの辞書から言葉をリストアップしていたため硬い表現が多かったのですが、インタビュー調査では話し言葉特有のカジュアルさが見られます。例えば「不思議ちゃん」という表現は、性格をイメージできる言葉ですが、辞書を使う質問紙調査では出てこない表現でしょう。また、同じ「甘えん坊」という性格でも、「甘えたがり」「すぐ甘える」など、表現に幅があることもインタビュー調査ならではです。今はまだインタビュー段階ですが、ここから分析に進む際は、これらの「幅がある表現」を統合する必要があります。
性格の捉え方は表現次第
年齢別にデータを収集し、分析が進められれば、その年齢の子どものパーソナリティを表す言葉がいくつあるかがわかるようになります。発達段階に応じて、その種類がどう増えていくのかも見ていくことで、人の性格形成の流れを追えるようになるでしょう。この研究の将来的な目標は、成果物として性格表現辞典を作ることです。「頑固」を「意志が強い」と言い換えられるように、同じ性格でも表現によって捉え方は変わります。パーソナリティ研究は、良し悪しという単純な見方ではなく、人を多面的に捉える力を伸ばす可能性のある研究なのです。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報
