プロジェクションマッピングで消防訓練? メディアアートの可能性

プロジェクションマッピングで消防訓練? メディアアートの可能性

鑑賞するだけではないメディアアート

2010年代以降、コンピュータで作られた映像や音などを活用したメディアアートが流行しています。プロジェクションマッピングもその一つで、建物の形に合わせて映像をゆがませたり、その場に存在しないものをリアルに表現したりしてアートの幅を広げてきました。メディアアートは鑑賞用作品としてだけでなく、さまざまな分野で役立てられています。事例の一つが、大学と消防局の連携で実施された「はしご車操作訓練」です。

消防訓練にプロジェクションマッピングを活用

まず、訓練用のプロジェクションマッピング映像や音を作成します。火が燃え広がる様子、建物のガラスが割れ、爆音とともに飛び散る様子など、複数のシチュエーションが作られました。これを建物に投影し、はしご車操作訓練を実施します。監督役の上官の指示に応じてPCを操作し、映像を切り替えますが、消防隊員はどの場面の映像が投影されるのかを知りません。その状況を瞬時に判断し、救助や安全確保の適切な動きを取ることになります。実践的でありながら安全性が高いこの訓練は、全国でも例を見ない取り組みです。今後は屋内にも映像を映して訓練できないかと検討されています。

次世代のヒューマンインターフェース

「映像や音を適切に操る技術」は新たなヒューマンインターフェース開発にも応用されています。例えば家電などから流れる「ホワイトノイズ」など、身の回りの環境音を利用して情報を伝えるものです。音の強弱や音程、周期などを工夫すると、複数の情報が組み込めるようになります。これを利用して、天気のように刻々と変わる情報を人工的に作り、エアコンの音に紛れさせるということが可能です。予め知っている人は、知りたい時だけ何も操作せずに耳を澄ませ、環境音から必要な情報を取得できます。音の意味を知らない人にとってはただの環境音と変わらないため、生活の邪魔にはなりません。手足や目を使わずに情報を取得できるため、一般の人のみならず寝たきりの人や障がい者の助けにもなるでしょう。

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先生情報 / 大学情報

湘南工科大学 情報学部 情報学科 情報メディア専攻 教授 本多 博彦 先生

湘南工科大学 情報学部 情報学科 情報メディア専攻 教授 本多 博彦 先生

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ヒューマンインターフェース学

先生が目指すSDGs

メッセージ

例えば、ゲームが好きなので自分自身でゲームを作りたいという動機の人はたくさんいます。しかし、ゲーム制作側に立つと、ゲームをただ楽しんでいた時とは異なる視点を持って取り組まなければなりません。「作る」にしても、CGやプログラミング、シナリオ、計算処理など様々な分野に対して深い知識と技術が必要です。興味の対象を多角的に見て、実用性や応用性も考えて大学選びができると、進学後のミスマッチが減るでしょう。学んでみると「この分野なら自分のやりがいを感じられそうだな」と新たに気づくこともあるかもしれません。

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湘南工科大学は「社会に貢献する技術者の育成」を大学のミッションに掲げる、1963年創立の工科系大学です。充実したICT環境と設備を備えた、湘南の自然豊かなキャンパスで、工科大学ならではの専門知識と実践的技術を身につけることができます。多くの授業でアクティブラーニングを取り入れており、学生が主体的に授業に参加し、実践を繰り返すことで理解を深めながら成長していく学修スタイルが特徴。また、少人数の担任制度や、きめ細かい就職支援などの各種制度により一人ひとりを手厚くサポートしています。