マスメディアの世紀から、ポピュラー・カルチャーの世紀へ。

マスメディアの世紀から、ポピュラー・カルチャーの世紀へ。

ネットやスマホは、社会や文化をどう変えた?

20世紀はテレビなどのマスメディアが圧倒的な力を持っていました。例えば昭和のアイドルと令和のアイドルとでは大きな変化があります。マスメディア中心のマスカルチャー(大衆文化)の時代、アイドルはレコード会社、芸能事務所、テレビ局などの「送り手」側から「受け手」側の大衆に仕掛けられるものでした。しかし、21世紀に入りインターネットが普及して以降は、ファンがアイドルの魅力を発見・発信し、その人気を盛り上げていく側面、いわゆる「推し活」が強くなってきます。

「邪魔な広告」はなぜ生まれた?

またメディアの変化は、広告のあり方も変えました。スマホ画面の広告を「邪魔だ」と感じて削除、スキップすることは、今の高校生にとって当たり前の感覚でしょう。しかし、かつて広告は単なる企業の宣伝ではなく、時代の最先端を行く流行を発信し、文化を先導するコンテンツでした。例えばテレビCMです。テレビと言えばリアルタイム視聴一択で、高視聴率が当たり前だった頃、CMも皆(マス)に見られており、そのキャッチコピーが流行語になり、翌日の学校では誰もが口にしました。広告は皆の「共通の話題」であり、エンターテインメントでもあったのです。

「未開の世界」から現在地を知る

一方、現在の若者の流行や文化を知ることは、簡単ではありません。インターネットやスマホが普及して、多くの人が夢中になる「共通の話題」より、「個」に最適化されたコンテンツが求められるようになりました。さらにSNSの発達によって、従来はコンテンツの「受け手」であったはずの大衆が、「作り手」側にも回るようになりました。広告の送り手たちは、従来のやり方を一から見直さざるを得なくなったのです。あなたにとって、20世紀のマスメディア中心の社会は、まるで「未開の世界」に見えるかもしれません。しかし、メディアがたどってきた歴史を知ることで、その世界の見え方が変わり、さらにはその延長上にある「今」をより客観的に捉え直すこともできるのです。

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先生情報 / 大学情報

関西学院大学 社会学部 メディア学専攻 教授 難波 功士 先生

関西学院大学 社会学部 メディア学専攻 教授 難波 功士 先生

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文化社会学、メディア史、広告・PR論

メッセージ

好きなコンテンツがあるなら、単に「面白かった」で終わらせず、徹底的に深掘りしてください。例えばあるアニメが好きなら、それを見たり、グッズを買ったりするだけでなく、監督の過去の作品や影響を受けた作品、当時の時代背景まで突き詰めるのです。こうしたマニアックな知識や「好き」を突き詰めた経験は、将来、コンテンツビジネスやメディアに関わる上で、必ずあなただけの強みになります。中途半端ではなく、とことん「行ききって」しまいましょう。

先生への質問

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スクールモットーである"Mastery for Service"は、「奉仕のための練達」と訳され、関西学院の人間として目指すべき姿を示しています。1889年にアメリカ人宣教師W.R.ランバスによって創立された関西学院は、このスクールモットーを体現する、世界市民を育むことを使命とし、現在、関西学院の3つのキャンパスでは、約2万人の学生が個性あふれる14学部で学んでいます。2021年4月からKSC(神戸三田キャンパス)は文系の総合政策学部と理系の理、工、生命環境、建築学部の5学部体制となりました。