セーラームーンはホワイト企業で働いている?

マンガを「文学研究」する
マンガの研究には「コマ割り」「吹き出し」といった、マンガならではの表現を取り扱う研究だけでなく、文学作品を研究するように、ストーリーやキャラクターに注目したり、作品を連載当時の社会状況と重ね合わせながら分析・考察したりする研究もあります。マンガは夢物語を描いたエンターテインメントと思われがちですが、少し視点を変えて読むと、さまざまな発見ができるメディアなのです。
お仕事マンガとして見てみる
女性向けマンガは恋愛ばかり描いていると思われがちですが、大人の女性の仕事や人生を描く作品もあり、それらは「少女マンガ」から派生した「女子マンガ」というジャンル名で呼ばれています。女子マンガにおけるヒロインと仕事の関わりを見てみると、バブル崩壊後にはフリーターの主人公が登場し、近年では、既婚女性が夫婦共働きを選択する傾向があるなど、マンガは社会の変化を敏感に映し出す鏡でもあることがわかります。
現実の社会と重ね合わせて分析・考察できるのは、未成年が多く登場する少女マンガでも同じです。例えば『美少女戦士セーラームーン』を「女だらけの職場の話」として読んでみましょう。セーラー戦士たちは、世界を救う業務において、各自の能力を十分に発揮できており、タキシード仮面は、彼女たちの手柄を横取りすることなく後方支援に徹しています。また、戦士の中には同性カップルもいますが、同僚としてごく当たり前に受け入れられており、血縁によらない子育てに取り組むこともできています。こうして見てみると、非常に働きやすい職場ですね。
人間の内面を克明に描くメディア
少女マンガ・女子マンガは、複雑な内面描写が得意です。好きなのに告白できない、しんどいのに仕事をがんばってしまう……言葉にならない感情や、矛盾を抱えた心理が描き込まれています。その意味で、「フィクションだけど、リアリティがある」ジャンルなのです。作品を丁寧に読み解いてみると、時に「人生の参考書」と呼びたくなる作品と出会えることもあるでしょう。
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先生情報 / 大学情報

白百合女子大学 人間総合学部 児童文化学科 准教授 トミヤマ ユキコ 先生
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日本近現代文学、マンガ研究、文芸創作先生が目指すSDGs
先生への質問
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