日本の少子化の本当の原因は、経済学的にこれだった!

日本の少子化の本当の原因は、経済学的にこれだった!

少子化の本当の原因は?

日本の少子化の原因は、生まれる子どもの数の減少と、結婚の減少の2つに分けられます。しかし、実は結婚した夫婦が産む子どもの数(出生力)は過去50年を見てもあまり変わっていません。本当の原因は結婚数の低下にあります。

結婚・子育てのコスパ

人は、自分が払うことになるコストと、受けられるベネフィット(利益、恩恵)を考えて行動を判断します。日本では特に「結婚=子どもをもつこと」という考えがあり、結婚のコストとベネフィットは、子どもをもつことのそれらと同義なのです。
昔は子どもも重要な労働力と期待され(労働力効果)、また老後の支え(年金効果)にもなりました。しかし、サラリーマン家庭が一般化した現代でそれらはほぼ必要とされなくなり、今はただ子どもがいるうれしさ(消費効果)が唯一のベネフィットとなっています。つまり、子どもに何かしてもらうことを期待して産むわけではなく、問題はコストの方にあるのです。
特に女性には「仕事を続けるか、結婚・出産をするか」という二者択一を迫られる構造があります。この背景には、日本の働く環境に「男性が稼ぎ、女性が家庭を守る」という「男性稼ぎ主モデル」が根強く残っていることがあります。理想は男女が共に働きながら子育てをするパワーカップルですが、現状は夫婦のどちらかが子育てのために仕事をセーブする必要があります。子どもをもつ以前の生活や収入を維持することができない、つまり「子どもをもつ=コスパが悪い」ということです。

経済と人間の再生産との両立

「男性稼ぎ主モデル」から脱却し、男女とも労働時間を短縮して生活しやすい社会へ転換するなど、家族のあり方や働き方の前提そのものを見直すことが、少子化問題の根本的な解決につながります。経済と自然環境がお互いに持続可能な循環を保つ必要があるように、経済と人間の再生産の関係においても、持続可能な循環が重要です。資本価値ではなく、人間の再生産を軸にした社会への転換が必要なのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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新潟大学 経済科学部 経済学プログラム 教授 溝口 由己 先生

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社会経済学

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メッセージ

経済学は社会をよくすることに使える学問です。その知識は、自分がどう稼ぐかではなく、「今はここがよくないから経済がうまく回らない」「ここをこうすればもっとよくなる」というふうに分析できるツールです、ぜひ、その姿勢で経済学を学び、今の日本や世界の経済情勢を分析する力を養ってほしいです。高校生のうちは今学校で取り組んでいる勉強に向き合うことが一番大切ですが、社会の問題にも目を向けてみてください。新聞を読んだり自分なりに調べたりすることで、社会を見る目が育っていくはずです。

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新潟大学は教育面を最も重視し、学生が自らの専門を深く極めるばかりでなく、広い視野をもち、物事を総合的に判断する力を身につけること、及び実践と体験を通したきめ細かい教育を行うことによって、学生一人一人の個性を伸ばすことを目指しています。さらに、教養教育と専門教育を融合させた教育プログラムを提供し、特定の課題・分野の学習成果を認証したり、異なる学部の学生と教職員で構成されるグループが地域住民とのふれあいを通じて人間的成長を目指すなど、本学の理念である「自立と創生」に基づく学生育成を実践しています。