AIを活用した「スマート構造」で橋や道路を自動点検

点検の技術者不足を解決
道路や橋など、インフラの老朽化が進んでいます。安全安心のために、点検や修理は欠かせませんが、熟練技術者が減っており、点検が追い付かないという現状があります。このため、自動点検の技術が注目されており、カギを握るのが「スマート構造」のシステムです。
スマート構造とは、センサで自らを点検して結果を判断し、必要があれば何らかのアクションがとれるシステムのことです。人間の、全身に張り巡らされた「痛点」で体の異常を検知・判断するようなシステムを、センサと機械学習、AI、統計学を使って実現するイメージです。
センサデータから異常を推定
例えば橋を点検する場合、人間の痛点のような密度で全体にセンサを張り巡らせることは不可能です。少ないセンサで、どこにどんな異常があるかを推定しなければなりません。現在、人間が計算方法を決めた機械学習により異常を推定するシステムが実用化されています。今後はAIに推定させることで、自動化を進めることが期待されています。
AIも人間と同様に間違いを犯します。そこで、複数のAIを使った推定結果、あるいは一つのAIが時系列で出した複数の推定結果を、「ベイズ統計」という統計学の手法で解析し、より確実な結果を出す技術が研究されています。
ベイズ統計でAIの誤報を解消
ベイズ統計とは、結果から原因を推定する方法です。例えば、的に当たる矢を見て、初心者が打ったか上級者が打ったかを考えるようなことができます。最初の1本が的に当たれば「たぶん上級者」と推定しますが、3回連続で当たれば「間違いなく上級者」と確信します。このような考え方で数学的に計算し、複数の結果から確信の度合いを更新していくのです。このベイズ統計でAIの誤差・誤報という問題を解消していきます。
AIの性能を上げることで完全に間違いをなくそうとしても、現在の技術では不可能です。そのため、ベイズ統計はAIの活用に欠かせないツールなのです。
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