人口が減少する農村を維持するには? 協同組合、地域の連携を考える

人口が減少する農村を維持するには? 協同組合、地域の連携を考える

農村の生活インフラを支える協同組合

私たちの食料を生産しているのは農村です。農村を維持できなければ農業は成り立たず、食料を生み出すこともできないことから、農村の維持は農村以外の住民にとっても大きな課題です。人が減っていく農村では、商店や病院といった生活に必要な施設も、採算が合わないことを理由に撤退していきます。
そんな農村を支えているのは、農協や生協といった協同組合です。これらの協同組合は、組合員から集めた資金を運営の基盤としており、利益を第一に考える必要がありません。農協が設置・運営する厚生病院やクリニック、生協の移動販売車などが農村の生活を支えています。郵便局が民営化で閉鎖され、現金を引き出せなくなっている地域では、ATMを搭載した車を走らせる活動もあります。

産学連携の取り組み

地域振興のため、大学や農協、そして企業が連携する取り組みも進んでいます。大学では、地域の特産品を活用した地域振興を考える授業が行われ、学生たちが白菜の漬物を考案しました。学生が味付けやネーミング、デザインまでを担い、企業が製造に協力した結果、作った商品はすべて売り切れるほどの人気となりました。その後、新たな商品開発につながって複数の成果が生まれたり、開発に携わった学生が農協に就職したりするなど、さまざまなプラスの影響が出ています。このような地域連携の取り組みは、生産・加工・販売を組み合わせる「6次産業化」が、さらに発展した形だと言えそうです。

新規就農者を受け入れる

農村を維持するためには、新規就農者の受け入れも欠かせません。ただし受け入れたとしても、就農後のフォローの有無やその内容には、市町村や農協ごとに大きなばらつきがあります。体系的な仕組みをつくるためには、まず現状を調査し、現場の人々と一緒に考える必要があります。実際に現場に出て人と交流を重ね、農村にある、まだ知られていない資源や人材を見つけ出すことが重要です。課題を解決するための手がかりは、農村の現場にあるのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

酪農学園大学 農食環境学群 農環境情報学類 准教授 正木 卓 先生

酪農学園大学 農食環境学群 農環境情報学類 准教授 正木 卓 先生

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地域農業連携論

先生が目指すSDGs

メッセージ

農業や農村に関して、あなたはどのようなイメージをもっていますか。私たちの食料を巡っては、実にさまざまな課題があります。私は、農畜産物を生産している農村にはまだまだ可能性があると思っています。その可能性を見つけることで、新しい農業の形をつくることができるはずです。その新しい農業の形を一緒につくっていける人と出会いたいです。本学は酪農・畜産を中核にしながら、作物や経営など、広い範囲の研究を行う大学です。ここで一緒に農業の新しい形をつくっていけたらうれしいです。

先生への質問

  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

酪農学園大学に関心を持ったあなたは

北海道の政治・経済の中心都市札幌から快速電車で10分、本学はそこに132haの広大なキャンパスを構えています。世界の人口が増幅を続ける中、40%前後の我が国の食料自給率は、今後ますます問題となるのは確実です。そうした環境下にあって、大地を健やかに育て、健康な食物を育み、それを食して健やかな人が育つ。こうした「循環と共生」をテーマに掲げながら、学生一人ひとりの個性や能力を最大限に引き出せるような教育を実践することを使命と考えています。