農作物の収量増加の肝はドローン活用?

農作物の収量増加の肝はドローン活用?

ドローンで作物を撮影、解析

最近、農業分野には先端技術を使って省力化や高品質生産を行うスマート農業技術が取り入れられつつあります。その一つとして、ドローンで作物を撮影して大きさなどを計り、その画像データを使うことで、将来の収量を予測し、よりよい栽培方法を探るという研究が進められています。研究は大学の農場や実際の農家で行われます。作物を育てるところから収穫まで段階的にドローンで撮影し、各データを集計して、収量が増えるにはどの段階で肥料を与えるのが適切なのか、どのような育て方をするのがよいのかを解析します。

計測のタイミングが肝心

これまでもドローンで撮影し、生育状況などを予測する研究は行われていますが、どの時期に何を計測すればよいか、ということはまだ十分わかっていません。例えば水稲の場合、葉の色は生育につれて変化していきますが、どの時期の葉の色の濃さが収量にとって重要なのか、定かではありません。生育段階ごとに撮影・解析したデータを使って、葉の色を計るタイミングをはっきりさせることで、与える肥料の量やタイミングがわかり、収量の増加が期待できます。
また、これまで農家の経験から「苗半作」、つまり「よい苗を作ればその年の作付けは半分成功したようなもの」ということは知られていました。そこでキャベツの苗の生育を実際にドローンで撮影して計測した結果、隣り合う苗の大きさの違いがこの知見につながっていることが分かってきました。このように、昔からの知恵を科学的に説明し、再発見につながることもあります。

農家の意思決定をナビゲート

ドローンでの撮影やデータ解析は、農家の「意思決定」をナビゲートできます。収量を増やすためにはどの時期にどれだけの肥料を与えればよいかという的確な意思決定ができれば、肥料を効率的に投入できるようになるだけでなく、余分な肥料代がかからずコストダウンにつながります。こうした新しい技術の導入により農家に時間や金銭面の余裕ができ、将来の農業人口の増加にもつながることが期待されています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

名古屋大学 農学部 資源生物科学科 耕地情報利用研究室 助教 西内 俊策 先生

名古屋大学 農学部 資源生物科学科 耕地情報利用研究室 助教 西内 俊策 先生

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作物生産科学、農業環境工学

先生が目指すSDGs

メッセージ

今の農学は、植物の知識はもちろん、AIやデータ科学、機械工学など多様な分野が融合する非常に面白い領域です。動画などの便利な教材も活用して、ぜひ自由に視野を広げてみてください。
また農学は、農業という現場に根ざした学問であり、その密接な関わりこそが面白さの源です。身近に農家の方がいれば、ぜひ話を聞いてみてください。長年の経験から生まれた言葉には、教科書では得られない気づきがあります。そして、研究の成果が早ければ1、2年後には現場に活かされることもあります。ぜひ一緒に研究しましょう。

先生への質問

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名古屋大学は、研究と教育の創造的な活動を通じて、豊かな文化の構築と科学・技術の発展に貢献してきました。「創造的な研究によって真理を探究」することをめざします。また名古屋大学は、「勇気ある知識人」を育てることを理念としています。基礎技術を「ものづくり」に結実させ、そのための仕組みや制度である「ことづくり」を構想し、数々の世界的な学術と産業を生む「ひとづくり」に努める風土のもと、既存の権威にとらわれない自由・闊達で国際性に富んだ学風を特色としています。この学風の上に、未来を切り拓く人を育てます。