子どものうちから知っておきたい心の健康を守り育むマインドフルネス

子どものうちから知っておきたい心の健康を守り育むマインドフルネス

心の健康の維持と増進

ユニセフが2025年5月に発表した調査によると、日本の子どもたちの「精神的幸福度(心の健康)」は、先進国36カ国中32位と低い結果でした。「心の健康を守り、育てていく」と聞くと、うつや不安、心身の不調を回復させて再発を防ぐケアを思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、不調に早く気づいて対応すること、そもそも不調にならないように予防すること、そしてすべての子どもたちの心の健康を高めていくこともとても大切です。特に、心と体が成長している時期に、心の守り方や上手な向き合い方を身につけておくことは大きな意味があります。そうした力は、「レジリエンス(困難にしなやかに立ち向かう力)」につながります。

マインドフルネスを心のよりどころに

心の健康の維持・増進に役立つものとして、今、注目されているのが「マインドフルネス」です。マインドフルネスとは、注意力や集中力を高めるトレーニングのことで、科学的な研究に基づいてさまざまな方法が開発されています。人の脳には、嫌なことや不安なことを記憶にとどめ、何度も考えてしまう「ネガティビティ・バイアス」という特徴があります。マインドフルネスでは、そのような心のクセに気づきながら、考えにとらわれすぎず、呼吸や体の感覚に意識を向けて「いま、この瞬間」に集中する力を身につけていきます。

困難に向き合う力、コンパッションを身につける

マインドフルネスを大人が実践すると、集中力が高まる、感情をコントロールしやすくなる、不安や落ち込みが軽くなる、パフォーマンスが向上する、といった効果が報告されています。それだけではなく、日常の小さな幸せに気づきやすくなり、自分や周りの人を大切に思う気持ち(コンパッション)や幸福感も育まれるとされています。子どもたちの心にマインドフルネスの種をまくことができれば、それは、生涯にわたるレジリエンスの育み、より生き生きとした社会につながっていくでしょう。

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滋賀大学 教育学部  教授 芦谷 道子 先生

滋賀大学 教育学部 教授 芦谷 道子 先生

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臨床心理学

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メッセージ

あなたの人生はかけがえのないものです。未知なるもの、新しいことにワクワクと心を開き、どんな体験も、慈しんで楽しんでみてください。時には困難なことに出会うこともあるかもしれませんが、その経験をどんなふうにとらえ、生かすかは自分次第です。もしかするとその困難が、あなたの大切な軸となり、豊かな人間性を育んでくれるかもしれません。そして、人間の心に興味を持ったら、心理学のドアをたたいてみてください。人間の心は不思議に満ちており、興味が尽きることがありません。ぜひ一緒に、心の世界を探究してまいりましょう。

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滋賀大学は新しい価値を創造する未来創生大学を目指します。未来を拓く力のキーワードは、データサイエンスリテラシーとリベラルアーツです。Society5.0時代における読み書きそろばんである数理データサイエンス・AIの基礎能力と、複雑化した現代社会の問題を解決するために必要とされる幅広い知識や、複合的な視点からアプローチできる総合力を身につけたうえで、柔軟かつ多様な文理融合(他分野複合)型専門性を持った問題解決型の人材を育成し、社会と共に未来創生に貢献する大学を目指します。