100年先も持続可能な森林管理の仕組みを

100年先も持続可能な森林管理の仕組みを

日本の7割を占める森林資源

森林資源環境学とは、森林が持つ多様な機能を研究し、森林資源を持続的に利用する方法を探求する学問です。自然科学の手法だけでなく、社会との関係を考える人文科学的な視点も取り入れながら研究は進められます。
日本の国土は7割が森林に覆われていて、そのうち人工林が4割を占めます。国内では毎年、1億立方メートルの森林資源が成長しており、消費量を上回るペースで増え続けています。これは日本の森林が豊かになっているとも言えますが、一方で資源を有効に活用できていないという課題も浮き彫りになっています。

森林管理の変容

日本では明治期まで村落が森林を総有・管理する伝統がありました。しかし、近代化の過程で土地の細分化や国有化が進み、多くの地域では森林が小規模な私有林へと解体されました。その結果、現代の日本の林業においては、分散した所有をいかに「組織化・集約化」し、経営規模を確保するかが最大の課題となっています。一方、集団的な管理体制を現代に引き継いでいる例外的な先進事例が、鳥取県智頭町です。智頭町では、かつての総有地を「財産区」などへと移行させ、実質的な村単位での管理を維持し続けてきました。このように伝統的な共同管理の基盤を維持できているからこそ、大型機械の導入による効率化や、地域一丸となった林業振興が可能となっています。

100年先を見据える林業

林業は、50~100年といった長期的なスパンで森林の生育を考える必要があります。誰が森林に責任を持ち、どのような体制で管理するのかを明確にすることも重要な課題です。日本では各地に森林の管理や林業経営を行う森林組合がありますが、長期的な責任の所在が必ずしも明確ではありません。ドイツやフィンランド、フランス、メキシコなど、森林管理の先進諸国の政策を学びながら、国内の制度を改善していくことが求められています。また、世界規模では森林の減少が続いているので、地球温暖化などの環境問題の解決に向けて世界各国で森林保全を進めていく必要があります。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

公立鳥取環境大学 環境学部 環境学科 教授 根本 昌彦 先生

公立鳥取環境大学 環境学部 環境学科 教授 根本 昌彦 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

森林資源管理学

先生が目指すSDGs

メッセージ

森林に興味を持つ学生には、自然が大好きな人が多いと思います。しかし、森林を保全していくためには、人間社会の仕組みや制度が整っていなければうまくいきません。そのため、自然と社会の両方を併せて見る視点が重要です。多角的な視点を得るためにも、高校時代は興味を限定しすぎることなく、さまざまなことに好奇心を持って取り組んでみてください。受験勉強で学んだことは、大人になってからも意外なところで役に立ち、決して無駄にはなりません。

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