村の売店がケアの拠点? 沖縄の助け合い文化から考える地域包括ケア

誰が高齢者を支えるか
日本では少子高齢化が進み、3人に1人が高齢者になる時代が近づいています。その一方で、支える側の若い世代は減少しており、「誰が高齢者を支えるのか」は大きな社会課題となっています。国も「地域包括ケアシステム」の構築を進めており、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けられる社会づくりをめざしています。
沖縄県北部の大宜味村(おおぎみそん)では、今も「ゆいまーる」と呼ばれる助け合いの文化が残っています。近所の人同士が自然に声を掛け合い、顔なじみだからこそ支え合う関係が日常に息づいているのです。社会制度だけではなく、人と人とのつながりが地域を支えているところに、この地域ならではの特徴があります。
共同売店が「居場所」
大宜味村にある共同売店は、単なる買い物の場ではありません。高齢者が集まって会話をしたり、「最近あの人見かけないね」と自然な見守りが生まれたりする、地域の交流拠点になっています。子どもたちが宿題をしたり、住民同士が情報交換をしたりと、世代を超えたつながりも生まれています。実際に共同売店が後継者不足で一時閉鎖された際には、「村から明かりが消えたようだった」と語る住民もいました。人が集まる場所そのものが、地域を支える大切な役割を果たしているのです。
2040年問題のヒントに
2040年には団塊ジュニア世代が高齢期を迎え、日本はさらに高齢化が深刻な社会になると予測されています。そんな中、注目されているのが、地域に既にある助け合いを生かした支援のあり方です。
やんばる地域では、学生も地域に入り、健康測定や交流活動を通して住民と関わりながら、新しい地域包括ケアの形づくりに参加しています。今後は、災害時の支援や、一人暮らしの高齢者を地域でどう支えるかなど、さらに研究が発展していくでしょう。人とのつながりや地域文化を生かして社会課題を解決しようとする取り組みは、これからの看護や介護、福祉のあり方を考える大きなヒントになるはずです。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
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