造花の開き具合で睡眠の質がわかる? 行動を促す情報デザインとは

健康のデータは取りやすくなったが
心拍、運動量、睡眠の質など、健康に関する生体データを計測する「ウェアラブルデバイス」が普及しています。しかし、本人が健康に関する知識を持ち、意欲的に改善に努めなければ計測する意味がありません。
そこで、本人に行動を促すような情報デザインが研究されています。特に注目されているのが、睡眠の質の改善です。日本人は他国と比べて睡眠時間が短く、睡眠不足の積み重ねが心身の健康に悪影響を及ぼす「睡眠負債」が問題になっているからです。
「ついやりたくなる」仕掛け
ある介護施設で、入所者の睡眠状態を計測し、本人に伝えて睡眠改善を図る研究が行われました。認知症の人は常時身につけるセンサーを外しがちなので、ベッドに敷くタイプのセンサーで計測しました。工夫したのは本人への伝え方です。数値やグラフではなく、ベッドサイドの造花の開き具合で睡眠の結果を表わす装置を設け、フィードバックしたのです。また、睡眠が十分取れていなくても、本人が落ち込まないようにも努めました。
その結果、利用者は自分の睡眠に興味を持ち、施設の医療関係者や看護師、介護士、家族も花の状態を基に睡眠改善を促す声掛けをするようになりました。自発的にストレッチするなど本人の意欲につながり、睡眠の質も改善しました。このように、強制ではなく、その人に合わせて「ついやりたくなる」仕掛けを、情報のフィードバックに盛り込むことが大切なのです。
親子で睡眠を学ぶアプリも開発
日本人の睡眠負債を改善するためには、国民全体で、幼少期から睡眠に対する知識を学んで、習慣化していくことが必要です。そこで現在、親子で睡眠について学ぶ「睡眠教育アプリ」の開発が進んでいます。アプリ内で保護猫を育てながら、親子で睡眠について学び、話し合うきっかけをつくる仕掛けです。こうしたアプリが普及すれば、「忙しくて寝ていないことが自慢になる」ような日本の風潮も変わっていくと期待されます。
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