「住民の居場所」をどうつくる? 公共施設の在り方を考える

「住民の居場所」をどうつくる? 公共施設の在り方を考える

「自習難民」が発生?

地域活性化やまちおこしの活動が全国各地で活発に行われています。ただし大前提として、地域の人たちが住みやすい環境にすることが重要です。
住みやすい地域づくりを考える際、キーワードの一つとなるのが、「住民の居場所づくり」です。例えば、最近は勉強を目的にカフェで長時間居座る人が問題になっています。実は外での勉強の場として思い浮かぶ図書館は、自習スペースが設けられていない限り、基本的に自習禁止です。外で勉強したくても場所がなく、カフェなどに集まってしまうのです。

公共の場に求められるもの

このような問題が起きないように、公民館やコミュニティセンターといった公共施設があります。自治体は、各地域のニーズに合わせて、地域のどこに、どのくらいの規模で、どんな機能を持つ施設をつくるかという施設計画を立て、適切な配置を図ります。その上で、地域施設は、多くの人が居心地よく過ごせる場所である必要があります。つまり、人は五感を通じて空間をどのように感じるかなど、建物の素材や内部の色、音の響き方なども考えて設計します。
しかし、地域施設だけでは住民のニーズをカバーできないこともあります。その場合は、民間のさまざまな空間を、例えば空き家の活用、そのほかには駄菓子屋、飲食店などの場所を活用して、高齢者や子育ての家庭の交流、体操などの健康づくり、子どもの自習などを行えるようにします。住民が必要に応じて使える公共の場を、住民と連携してつくるのです。

安心して過ごせる地域の拠点

人が集まる場所や施設は防災対策が不可欠です。実は、こうした場所は小型の施設が多く、防災に関する建築規制があまり厳しくありません。しかし、地域施設を利用する高齢者や乳幼児連れの家族は災害弱者に当たるため、避難経路や避難場所を検証した上で施設の計画を立てる必要があります。
地域のニーズを正確にキャッチし、今あるものを活かしながら、住民が安心して住める地域になるよう知恵を絞る姿勢が求められます。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。

先生情報 / 大学情報

職業能力開発総合大学校 能力開発院 基盤ものづくり系 建築計画・設計・CADユニット 准教授 若竹 雅宏 先生

職業能力開発総合大学校 能力開発院 基盤ものづくり系 建築計画・設計・CADユニット 准教授 若竹 雅宏 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

地域施設計画学、地域コミュニティ

先生が目指すSDGs

メッセージ

今はネットの検索ですぐに情報が得られます。これからはAIが当たり前になる時代です。そんな今だからこそ、諦めずに最後まで自分で考える姿勢を意識しましょう。将来のこと、家族や友達のこと、何でもいいです。ネットに頼らず、自分で考え、自分なりの答えを見つけて行動してみてください。失敗や嫌なことがあっても、自分で考えて決めたことなら乗り越えられ、自信もつきます。今後はますます専門的な知識を身につけて就職する人が増えると思いますが、その時に自由な選択ができる自分になっていて欲しいと思います。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

職業能力開発総合大学校に関心を持ったあなたは

職業能力開発総合大学校は、「ものづくりのプロ」「人づくりのプロ」を養成するために設置された、厚生労働省所管の4年制の大学校です。
科学・技術・技能を三本柱とした実践的な知識と技能を学び、機械・電気・電子情報・建築の4専攻でものづくりにおける企画・開発から製品化に至るまでをトータルにマネジメントできる能力を養います。製造現場での最先端の機器設備を活用することによって、新たな学術領域である「技能科学」の確立を目指すとともに高度化・煩雑化する社会課題を解決できる高度な人材を育成しています。