ハラハラドキドキ! リスクのある遊びが子どもを育てる?

遊具の安全対策は子どものため?
子どもの「遊び」が、年々変わってきています。例えばジャングルジムの下にはふわふわのマットが敷かれるようになり、少しでも危険と判断された遊具は安全策が取られ、場合によっては遊具自体が撤去されます。一見すると「子どものため」ですが、発育・発達の視点では「できるかどうかわからないことに挑戦して、やり遂げる」という体験の機会が、少しずつ失われているとも考えられます。
特に自然の中で行われる外遊びは、高い所によじ登ったり、坂を駆け下りたりと、屋内での遊びに比べてリスクを伴います。しかしこうした「リスクのある遊び」も、子どもの発育・発達における大切な体験の一つなのです。
ストレス=ネガティブとは限らない
では、リスクを伴う遊びは子どもにどのような影響を与えるのでしょうか。リスクのある遊びの前後に唾液を採取してストレス量を測定したところ、遊んだ後は精神的ストレスの数値が上昇していました。この結果だけを見ると、「リスクを伴う遊びは子どもにとって負担なのでは」とも思えます。しかし実際の子どもの気持ちは、「活発」「生き生きしている」といったポジティブな方向へ変化が見られました。つまり、リスクを伴う遊びのハラハラドキドキは「快ストレス(心地よいストレス)」と受け取られている可能性が判明したのです。
予測不能がレジリエンスを育む
外遊びの重要性は、2007年ごろから海外でも提唱されてきました。海外の考え方を踏まえて、日本の子どもたちを対象に実際に検証したのがこの研究です。リスクを伴う外遊びといっても、極端に危険なことをする必要はありません。例えば森の中を歩くだけでも、道に突き出た枝や整備されていない地面など、屋内では出会わない予測不能な状況があります。そうした体験の積み重ねが、レジリエンス、つまり多少のことではへこたれないしなやかな心を育むと考えられます。この研究成果を遊びの環境づくりにどう生かしていくかが、今後の課題です。
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