さまざまな立場の人が支え合う社会福祉を

さまざまな立場の人が支え合う社会福祉を

さまざまな人が関わる高齢者福祉

高齢者福祉とはその名前の通り、高齢者のサポートを行う学問分野です。高齢者福祉には入所と在宅の違いがあり、老人ホームで介護が必要な重度の人がいる一方で、多くの人は自宅で暮らしながら支援を受けています。現場では医師や看護師以外にもさまざまな職種がチームを組みながら支援を行っています。リハビリテーションを行う理学療法士や作業療法士、生活に困難や悩みを抱えている人を助けるソーシャルワーカー、主に介護サービスを利用する際に相談に応じるケアマネージャーなどです。

認知症の人とサロン運営

認知症は一般的には高齢者に多い病気ですが、若年性認知症と呼ばれる65歳未満で発症する人もいます。認知症の人にとっては、自分にできる活動を通じて達成感を得ることが重要です。奈良県天理市では、ある地域包括支援センターと介護サービス事業所が協力して、認知症のある人とともに企画や運営に関わるコーヒーサロンを月に一度開催しています。一緒にコーヒーの焙煎(ばいせん)からテイスティングまで行う取り組みを通じて、本人だけでなく家族にも喜ばれる場所づくりという成果が生まれています。それまでは家の中で一緒にいるばかりだった本人とその家族が、サロンではそれぞれの時間を過ごすことができ、新しい人間関係が築かれていくのです。

共に考えて共に行動する

社会福祉では、「援助する側」と「される側」という関係ではなく、一緒に考えて共に活動していくというスタンスを取ります。学生や20代の若者など人生経験が浅い人たちが、人生経験を積んだ高齢者と関わる中でさまざまなことを学べるというメリットもあります。相手の求めに対してサポートを行い、サポートしていた側も知らないことを高齢者から提供してもらえるという、お互いにとってプラスとなる関係性が生じているのです。家族や本人だけでなく、支援に関わる専門職や地域住民とも協力しながら、地域の中で高齢者が暮らしやすい環境づくりを進めていくことが今後も求められます。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

天理大学 人文学部 社会福祉学科 准教授 種村 理太郎 先生

天理大学 人文学部 社会福祉学科 准教授 種村 理太郎 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

社会福祉学、ソーシャルワーク

先生が目指すSDGs

メッセージ

社会福祉という領域は、人の幸せを願う学問であり、学びであり、実践です。今は国内に留まらず、世界中で人々が助けを求める場面が増えています。このような状況に対して、自分のエネルギーを使って他人の支えになりたいとチャレンジしてくれる人を求めています。支援とは何か特別なことをするわけではなく、その人にとって生きていくために必要なものを提供していく行為です。自分が日々の暮らしをどのように営んでいるのか、日常生活に対して関心を向けて振り返る時間をたくさん作ってほしいです。

先生への質問

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「自分を超えて、未来を拓く」~世界を知り、視野を広げ、社会に貢献できる人材に~
本学は1925年に天理外国語学校として設立され、2025年に創立100周年を迎えました。国際社会に開かれた大学として発展するとともに、学生同士はもちろん教員とも人間的なつながりを深めるための「少人数制教育」と「クラス担任制」で、学生一人ひとりの個性や理解度に応じたきめ細やかな教育を実践しています。 建学の精神に基づく、「宗教性」「国際性」「貢献性」という3つの柱を修め、社会の発展に寄与する人材を育成します。