助産師が「家」に注目する理由は? 母子の新しい健康支援へ

女性を生涯支える職業
助産師は出産時だけでなく、思春期から老年期まで女性とその家族の健康を生涯にわたり支えます。学校での性教育や家庭訪問など、支援の対象は幅広く、母子を取り巻く暮らし全体を理解し支援するこの領域を「助産学」と呼びます。少子化や出産の高齢化が進む社会の中で、ますます重要性を増す分野です。
母子の心身の健康に関係するのは?
母親のメンタルヘルスや育児負担感は、家のつくりや居住環境と深い関係があります。調査からは、子育て期には十分な収納スペースや洗濯物を干すことのできる広いベランダ、集合住宅であればエレベーターを含めた建物から部屋までの動線の良さなどが求められています。逆に、広い間取りは掃除や移動の負担が大きく、子どもに目が届きづらいなど、心身のストレスにつながる傾向があります。また、子どもの不慮の事故の多くは、リビングで起きていることも明らかになっています。
海外では子育て世帯は低層階に住むことが推奨されている国もあり、日本でも住まいを医療や看護の視点から捉え直す動きを活発にしていく必要があります。
また、子どもが小さいうちは、母子は家の中で生活する時間が多く、母親の活動は家事や育児を中心とした身体活動となります。一見運動不足のように見えますが、実はWHOが推奨する運動量を満たしていることが研究で明らかになっています。
建築と看護をつなぐ
これらを踏まえ、助産師が住居を含む生活環境を評価し、助言できるツールの開発が必要です。生活環境を整えることは、事故防止だけでなく、母子の「身体活動」を自然と促します。安全にハイハイできる空間やベビーカーで外出しやすい動線は、母子双方の発達や体力回復に直結します。助産師が危険要因を把握して環境改善を助言する、「暮らしの場で支える支援」を切り開くことが目標とされています。医療と建築という異分野をつなぐことで、家族が安全で心身ともに健やかに暮らせる社会の実現を目指す点に、この分野の大きな可能性があります。
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