憲法が保障する「自分らしく生きる自由」

憲法は「あなた」の味方
憲法と聞いてもどこか縁遠いイメージかもしれませんが、憲法は私たちの生活に密接に関わる身近な存在です。かつての大日本帝国憲法では「お国のため」「男ならば」といった「属性」が優先されましたが、今の憲法では個人の主体的な生き方を尊重します。性別や貧富などの属性よりも、まず一人の人間として尊重するという基本原則にのっとっているのです。例えば、女性が結婚や出産より仕事を選ぶことや、性的マイノリティとして生きること、また自分の好きなように生きること、これらが否定されないのも、憲法の存在があるからです。
マイノリティに寄り添う信教の自由
「個人の尊重」の根幹にあるのが、信教の自由です。例えば、ドイツはほとんどの国民がキリスト教徒であったこと等から、憲法で信仰の自由が保障された後も、「公立学校でキリスト教の祈祷の時間を設けること」が容認され続けました。これは「祈祷への参加の強制がなければ、違憲ではない」という解釈が採用されてきたからです。しかし、社会のグローバル化や多様化が進む中で、こうした考えは大きく変わっており、「強制されなくても苦痛である」という少数派の具体的な苦しみに寄り添い、多数派に軸足を置いた運用は徐々に変更されていきました。
「社会通念」が抱える落とし穴
一方、日本では国家と宗教の「厳格な分離」を原則としながら、宗教が母体となる私立学校や寺社仏閣に補助金を出すなど、「文化や社会通念に合わせて」柔軟な実務対応がとられています。その中で、ある地方の公立施設の建設にあたり、神主を呼んで行う地鎮祭に対して公費が支出されるという事件が起こりました。これについても「文化や社会通念である」と認めてしまうと、宗教的な少数派に対する抑圧につながりかねません。
日本でもグローバル化や価値観の多様化は進んでいます。憲法が保障する個人の尊重や信仰の自由、そして「国家」との関係については、絶えず考え続ける必要があるのです。
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創価大学 法学部 法律学科 講師 山本 和弘 先生
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