AIで翻訳・通訳はどう変わるか 学生の使い方から考える未来の形

AIで翻訳・通訳はどう変わるか 学生の使い方から考える未来の形

最も影響を受ける職業?

AI翻訳の急速な普及により、通訳者・翻訳者を取り巻く環境は大きく変わってきています。ある研究では、AIによって最も影響を受ける職業として通訳者・翻訳者が挙げられています。ただし、それは通訳者・翻訳者がいなくなる、必要とされなくなるということではなく、AIが強力なパートナーとして活用される時代になるということです。
AI翻訳のなかった時代、通訳者・翻訳者に求められたことは、いかに正確に効率的に訳すかということでした。今後はAIツールなどを使いこなし、迅速で優れた翻訳・通訳を提供できるか、が問われるようになるでしょう。通訳者・翻訳者に求められるスキルセット自体が変わりつつあるのです。

学生はすでに駆使している

翻訳を学ぶ大学生グループを対象に調査を行ったところ、学生はすでにAI翻訳を活用して翻訳文を作成していることが明らかになりました。また、2017年、21年、25年と比較していくと、25年のグループはAIを駆使し、翻訳を完成させる時間が過去のグループより短縮されています。AI翻訳をうまく活用することが作業の効率化につながることがわかります。
とはいえ、AIがあれば翻訳を学ぶ必要がないということにはなりません。実際、その学生グループ全員が「翻訳の授業は必要だ」と評価しています。それは、AIにできる翻訳の限界と、人にしかできない翻訳の領域が、学ぶにつれて見えてくるからです。翻訳とは単なる言語の変換ではなく、語彙(ごい)の選択や文化的背景に対する理解など、AIにはできない判断を伴う行為だとの認識が、授業により深まっているのです。

教育現場が直面する課題

日本の教育現場には、いまだにAIの使用を制限する方がよいという雰囲気があります。しかし学生はもうAIを使いこなしており、その現実から目を背けることはできません。学生のAI活用の実態を記録・分析することは、AIの活用を今後どう教え、どう評価するかという、教育現場が直面する課題の解決に向けた手がかりになると考えられます。

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龍谷大学 国際学部 グローバルスタディーズ学科 教授 瀧本 眞人 先生

龍谷大学 国際学部 グローバルスタディーズ学科 教授 瀧本 眞人 先生

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通訳研究、翻訳研究

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メッセージ

通訳・翻訳をするには外国語ができればよいと思われがちですが、同じくらい日本語の豊かな表現力や日本文化への深い理解も求められます。異文化間のコミュニケーションは一方通行ではないからです。また、通訳者・翻訳者はあらゆる専門分野を渡り歩きます。例えば、医学、法律、スポーツなど、それが今までほとんど触れたことのない分野だとしても、新しいことへの好奇心を持ち続けることが、この仕事の大きな力になります。今のうちからさまざまなことに関心を向け、世界を広げていってください。

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あなただけの世界から、私たちを想う世界へ

あらゆる「壁」や「違い」を乗り越えるために、「まごころ」を持ち、「人間・社会・自然」について深く考える人を育む。それが、龍谷大学の教育のあり方です。自分自身を省み、人の痛みに感応して、他者を受け容れ理解する力を持つ。人類が直面するリアルな課題と真摯に向き合う。そして様々な学びを通じて本質を見極める目を養い、自らの可能性を広げていきます。