子育てや保育の悩みを解決 「しかる」を「ほめる」に導く作業療法士

子育てや保育の悩みを解決 「しかる」を「ほめる」に導く作業療法士

その人らしい生活をサポート

「作業療法」は、さまざまな活動を通して、その人らしい生活ができるよう支援するリハビリテーションのことで、発達障害のある人も対象です。
発達障害は脳の働き方の個性が強く、物事のとらえ方や行動に特性が表れ、日常生活に困難なことが発生します。自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如多動症(ADHD)などのタイプがありますが、どのタイプも周りの人や環境とのミスマッチが生じやすく、集団生活になじめない子どもが多くいます。このため、集団生活に適応できるよう周りの人や環境を調整することも作業療法士の役割の一つです。

観察から気づきを増やす

ADHDの子どもは、急に走り出す、すぐにかんしゃくを起こすといった行動が目立ち、幼稚園や保育園の先生が対応に困ることがあります。そこで、ADHDの子どもの保護者対象のペアレント・トレーニングを保育士・教師に応用した「ティーチャー・トレーニング」が展開されました。このトレーニングは、先生が子どもをよく観察することで特性や個性に気づき、「しかる」を「ほめる」に変えていくのが目的です。観察を続けると、例えば「外で遊べない日に暴れる」「絵を描くときは集中できる」といった行動パターンに気づきます。パターンが見えてくれば、「雨の日は広いホールで体を動かしてから工作に参加させよう」「描いた絵をたくさんほめてあげよう」など、特性に合った対応が可能になり、しかることが減ってほめることが増えていきます。

二次障害を予防、ストレスを解決

発達障害のある子どもは失敗したりしかられたりする経験が積み重なると、不登校、ひきこもり、うつなどの二次障害につながることがあります。また、周りの大人も「しかってばかり」で、大きなストレスや悩みを抱えがちです。この「しかる→ほめる」に導くトレーニングを行うことは、二次障害の予防、そして大人のストレスの軽減につながるのです。このように、作業療法士は、この変化を専門的に支え、子どもも大人も過ごしやすい環境づくりを担う専門家です。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

群馬大学 医学部 保健学科 講師 十枝 はるか 先生

群馬大学 医学部 保健学科 講師 十枝 はるか 先生

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作業療法学、特別支援教育

先生が目指すSDGs

メッセージ

対象の子どもだけでなく周りの人も幸せにする作業療法士は、「ハッピーライフコーディネーター」だと思っています。幸せの形は人それぞれで、個別の対応が必要になる難しさもありますが、マニュアルによらず一人一人の幸せをサポートできるところにやりがいがあります。子どものキラキラした個性に出会い、たくさんの個性を発見できる楽しさがあり、子どもの成長に感動することも多いです。子どもや教育に関わる仕事に興味があるなら、作業療法士を将来の選択肢として考えてみてください。

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群馬大学は北関東を代表する総合大学として、優れた人材を育成し、学問の研究と応用、福祉への貢献など、社会的使命を果たすことを特色としています。「社会のニーズに配慮しつつ細分化から総合化へ」という理念を研究面、及び教育面に具体的に実現させ、「研究活動面における社会との連携及び協力」に高く評価される形となって生かされています。