過ごしやすい街の色は? 人間の心理からデザインのヒントを探る

病院は白がふさわしい?
もし病院とオフィスビルを建てるとしたら、それぞれどんな色にしますか? 病院は白、オフィスビルはグレー系と答える人が多いかもしれません。
病院、オフィスビル、住宅などの写真にさまざまな色をつけたシミュレーション画像を被験者に見てもらい、印象を調べる環境心理学の実験が行われました。すると、好まれる色は建物の用途とあまり関係がないというデータが出ました。「病院=白」などと思うのは、経験による先入観のようなもので、建物の用途によってこの色がいいという答えはないことがわかります。
「人がどう感じるか」を調査する
環境心理学、デザイン心理学には、景観や建築物を含め、身のまわりにあるさまざまな物の色や形、模様などが人の感情にどんな影響を与えるかを調べ、「人がどう感じるか」を知ろうとする分野があります。人の好みや感じ方は千差万別ですが、多くの人が好むデザインがわかれば街づくりやものづくりに役立ちます。この分野ではインタビュー、アンケート、行動観察などさまざまな手法で「よいデザインとは?」の答えを探る研究が行われています。
心理学的実験を街づくりに生かす
「オフィス街には落ち着きが求められ、商店街には面白みが求められる」という仮説のもと、街並みの画像を評価してもらう実験も行われました。すると、「オフィス街でも商店街でも、落ち着き、面白みの必要性は同程度である」という結果が出ました。この結果から、現在のオフィス街には落ち着きはあるが面白みがない、商店街には面白みはあるが落ち着きがないので、それぞれ欠けているものを補うことで、よりよい街並みになる可能性があると考えられます。だとすれば、「オフィス街に街路樹を植える」「カラフルなオブジェやベンチを設置して面白みを増す」などのアイデアが浮かんできます。このように人の好みや感じ方を明らかにする心理学的な実験は、マーケティング、商品開発、ブランド戦略などでもよく行われます。
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