VR演劇から日常のふるまいまで 「パフォーマンス」を研究する

演劇研究×文化人類学で誕生
パフォーマンス・スタディーズ(パフォーマンス研究)は、1960年代のアメリカで、演劇研究者シェクナーと文化人類学者ターナーのコラボにより誕生した学問です。研究の対象は演劇、ダンスなどの舞台芸術から、メディア、スポーツ、音楽、スピーチ、政治デモ、儀式、子どもの遊びなど、さまざまな分野に広がっています。現在では、日常生活のふるまいも含め、表現のすべてをパフォーマンスととらえます。
新しい表現を生み出すVR演劇
コロナ禍を機に、メタバース(仮想空間)でのパフォーマンスが増えています。仮想空間で行われる「VR演劇」は俳優、スタッフ、観客がアバターで参加し、現実の演劇と同じようにリアルタイムの芝居を楽しみます。ワープ、変身、空を飛ぶなどのギミックが可能で、観客は360度好きな角度から鑑賞できるといった特徴があります。美術・照明・音響などには高度なCG制作やプログラミングのスキルが必要で、俳優もトラッキングやモーションキャプチャを用いて演技します。最近ではAIやARの技術を生かした作品も登場しています。
日本には独自の小劇場の文化とコミュニティがあり、海外でも高く評価されています。そんな現実の小劇場に似せて、VR空間に「ましろ小劇場」が建てられました。そこにはVTuber、声優、CG技術者など多様な人が集まってきています。新しい表現やコミュニティを生み出すVR演劇は、パフォーマンス研究の新たなテーマとなっています。
研究者も自己表現
パフォーマンス研究の特徴として、演劇などの表現活動を自ら行う研究者が多いことがあげられます。パフォーマンスは自己表現かつ他者とのコミュニケーションです。演劇のメソッドを英語学習に取り入れるなど、パフォーマンス研究の成果を語学やコミュニケーションの教育に生かす試みも行われています。
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