新型たばこから黄砂、消毒薬まで 身近な健康リスクを解き明かす

新型たばこから黄砂、消毒薬まで 身近な健康リスクを解き明かす

新型たばこなら体に悪くない?

古くからある紙巻きたばこは、ニコチンなどの有害物質が含まれていて、長く吸い続けると肺や心臓の病気、がんなどのリスクが上がります。では、加熱式たばこ・電子たばこなどの新型たばこは安全なのでしょうか。
新型たばこは紙巻きたばこより有害物質が少ないともいわれますが、さまざまな化学物質が入っていて、その影響はまだよくわかっていません。紙巻きたばこの煙は、特に呼吸器系にダメージを与えます。周りの人が吸ってしまう「受動喫煙」も大きな問題です。新型たばこから出るのは蒸気で、紙巻きたばこのような煙、強いにおいはありませんが、呼吸器系へのダメージも受動喫煙のリスクも否定できません。実際、ぜんそくなどのアレルギーが悪化するという研究結果も出ています。新型たばこは世界的に広まっていますが、長く吸い続けた場合の健康影響は明らかになっていないのです。

ダメージは生殖器系にも?

ディーゼル車の排ガスや大気汚染物質などに長くさらされていると、雄性(男性)生殖機能が低下することがわかっています。そこで、新型たばこの雄性生殖器系への影響を調べる研究が行われています。動物実験でオスのマウスに新型たばこを吸わせた結果、精子の数が減った、精子の運動性が悪くなったというデータが出ています。実際にどんな化学物質が精巣に影響しているのか、ヒトでも同じ問題が起きるのか、さらに研究が進められています。また、実際にヒトが吸ったときに起こる影響を調べることも必要です。

「健康のリスク」を看護に生かす

これらの研究は、動物実験などを通して、PM2.5、新型たばこ、消毒薬など、環境中にある化学物質が人体にどんな影響を及ぼすか調べるもので、看護の領域でも必要な研究です。患者の生活を支える看護師にとって、身近にあるものの健康リスクを考えることはとても大切です。また、実験研究を通して科学的思考を身につけることは、エビデンスに基づいた質の高い看護につながります。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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大分県立看護科学大学 看護学部 看護学科 教授 吉田 成一 先生

大分県立看護科学大学 看護学部 看護学科 教授 吉田 成一 先生

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衛生学、公衆衛生学、毒性学

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メッセージ

本学は看護学に関する講座に加えて「人間科学講座」があり、健康情報学、人間関係学、環境保健学、言語学など、さまざまな分野の教員がそろっています。単科大学ながら、看護を軸に多様な学びが得られます。研究の幅も広く、私も薬学が専門ですが、生体反応学研究室で公衆衛生学や環境学、医学にまたがる研究をしています。もし看護の道に進みたいなら、やりがいだけでなく学んでいく上で大変なことやつらいことも知り、本当に自分に合うか考えてください。進路を選ぶには広く情報を集め、じっくり自分と向き合うことが大切です。

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1学部1学科の単科大学なので、看護学に特化した環境で学べます。全ての資源は看護学生のために用意され、1学年定員80名に対して教員約60名の体制による手厚い教育が行われます。
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