語学が身につかないのはなぜ? 大切な「自己効力感」

「できそう」が学びの継続を支える
外国語は、テスト前だけ頑張ってもできるようにはなりません。授業で使う表現や会話は、学び続ける中で少しずつ身につくものです。そこで語学教育の研究では、文法や単語の知識だけでなく、学び続けられるかどうかを左右する「気持ち」にも注目します。
大切なものの一つが、「自己効力感」です。難しい課題に出会ったときに「自分なら取り組めそうだ」と感じる力で、これが低いと、間違いを自分の能力不足だと思い込み、やる気をなくすことがあります。その結果、学習が継続せず、どこでつまずいたのかを振り返れないため、自分に合った勉強法も見えなくなります。
日本の学生は自己効力感が低い?
自己効力感は、アンケートで調べられます。例えば、「難しい問題でも解決できると思うか」「初めて学ぶ内容でも勉強の仕方がわかるか」といった質問から、学生が自分の力をどう見ているかを探ります。日本とドイツの大学生を比べた調査では、日本の学生の方が自己効力感が低い傾向が見られました。日本では成績や順位で自分の位置を確認しやすい学習環境があるため、人と比べてしまい、自己効力感が下がりやすいと考えられています。研究では、他者との比較よりも、一人一人の変化に注目することが重要だとされています。
教員がやるべき関わり方は
一人一人の変化に目を向けるには、教員の関わり方が重要です。自己効力感は、授業での声かけや評価によっても変わります。成績や出席具合といった結果だけを見ると、体調や家庭の事情、友人関係など、学習の背景にある問題を見落としかねません。教員には、結果だけで判断せず、学習者の状況を見て支える姿勢が必要です。少しずつ良くなった点を評価し、伝えることも、学び続ける力につながります。
研究がめざすのは、学習者が外国語を嫌いにならず、学校卒業後も学び続けたいと思える授業づくりです。現在は、AIが語学学習に与える影響も研究されており、AIが学びの助けになるのか、検証が進められています。
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